1986 Fiscal Year Annual Research Report
細胞融合による単クローン抗体の作製と血液系遺伝標識の検出および法医学的応用
Project/Area Number |
61570295
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
池本 卯典 自治医大, 医学部, 教授 (90048942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 宏明 自治医科大学, 予防生態学, 助手 (30177092)
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Keywords | モノクローナル抗体 / ルイス式血液型 / 赤血球膜抗原 / 血液型検査 / 細胞融合法 |
Research Abstract |
唾液由来の【Le^a】および【Le^b】物質を免疫原として、単クローン抗【Le^a】,抗【Le^b】を作製し、その抗体の赤血球ならびに唾液中のLewis抗原に対する活性を検討した。抗体の作製法は、いわゆるmouse-mouse hybridoma cell lineで最初に100μgの【Le^a】および【Le^b】物質をBALB/【C^a】腹腔内に注射し、さらに1ケ月後30μgを尾靜脈に注射し、その脾細胞とマウス骨髄腫細胞NS-1とのhybridomaからcloningした。他の抗Lewis作製法との相違はfoming cellsのselectionを【Le^a】および【Le^b】型血球を用いて実施したことである。抗【Le^a】,抗【Le^b】はいずれもIgG/xであり従ってcoombs依存型の抗体である。検査法は、5%赤血球50μl,抗Lewis50μl,抗mouse-r-globulin rabbit serum 50μlを小試験管に入れ、室温に1時間感したのち、1500rpmで1分遠沈して凝集反応を観察した。その結果、抗体価は蛋白濃度1μg/mlまで陽性反応を示した。特異性は12種類の動物血球(chimpan-zea cattle,horse,sheep,goat,pig,dog,cat,rabbit,guinea pig,chicken)などはすべて陰性であった。対照実験に用いたpolyclonal 抗Lewisはrabbitを免疫したものであったが、非特異的な異好性抗体は吸収除去されており、単クローン抗Lewisと同様な反応を示した。ついでpolyclonal抗体で検定の終った赤血球100例(A型40例,B型20例,O型30例,AB型10例)についてLewis式血液型の判定を試みた。その結果 polyclonal抗【Le^a】,抗【Le^b】を用いて検査したLe(a+b-),Le(a-b+),Le(a-b-)型は、今回作製したmonoclonal抗【Le^a】,抗【Le^b】を用いてLewis式血液型検査においてもすべて同様に判定された。ちなみに、Le(a+b-)型は20.4%,Le(a-b+)型は70.2%,Le(a-b-)型は9.4%であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 池本卯典: Medical bulletin. 4. 26-32 (1986)
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[Publications] 勝野誠,池本卯典,他: 日本輸血学雑誌. 33. 21-26 (1987)
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[Publications] Shigenori Ikemoto,et al: Vox Sang.