1987 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンD抵抗性骨疾患における活性型ビタミンD_3受容体及び抗受容体抗体定量化
Project/Area Number |
61570455
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清野 佳紀 大阪大学, 医学部, 講師 (80028620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 雅昭 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
黒瀬 裕史 大阪大学, 医学部, 助手 (60192043)
山岡 完次 大阪大学, 医学部, 助手 (60144490)
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Keywords | ビタミンD / ビタミンD受容体 / 1.25(OH)_2D_3 |
Research Abstract |
幼若化刺激したヒト抹消血単核球を用いて, 副甲状腺疾患, 腎疾患, 人疾患, その他の患者における1.25-dihydmxy cholechalaifeml(1.25(CH)_2D_3)のレセブター濃度を検討した. 対象としては特発性副甲状腺機能低下症(IHP)2例, 偽性副甲状腺機能低下症(PHP)3例, 低リン血性ビタミンD抵抗性クル病(VDRR)8例, ビタミンD依存性クル病I型(VDDRI)1例, 骨形成不全症(CI)2例, 慢性腎不全(CRF)7例, 慢性糸球体腎炎(CGN)の3例, ネフローゼ症群(N6)5例, ファンコニー症候群(FS)2例, SLE2例の計35例を対象とした. また, 対照は健常成人12人(22〜42才)を用いた. 方法は前年度に報告した方法によった. 結果は(1)健常成人より求めたレセプター濃度は57.3±16.6fmol/mg蛋白であった. また, Scatchchard Analysisより求めた解離定数は1.8×10-11Mであった. (2)IHPでは1例は低値, 1例は正常範囲であった. PHPの3例は全例正常範囲であった(図1). VDRRではビタミンDとリン剤併用者はビタミンD単独服用者(O)に比べて高値を示した. VDRR type Iで正常範囲であった. (3)CRFでは1例が高値を, 1例が低値を示した. Fancani症候群, CGN, NS, SLEではSLEの1例を除き正常範囲であった. 以上の結果から(1)PHPでは他の内分泌異常の合併も報告されているが, 今回の成績では, ビタミンDレセプター濃度については正常であると考えられる. IHPの1例が低値を示したが, IHPでは他の内分泌障害はほとんど報告されておらず, さらに経過を観察すると必要であると考える. (2)VDRRではリン投与患者が非投与患者よりレセプター濃度が高かったが, 血清リン濃度レセプター濃度に相関は認められなかった. しかし, リン投与患者では血中リン濃度の日中変動が大きいので, さらに検討を要すると考えられる. 今後さらに検討を加えたい.
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[Publications] 山岡完次: 実験医学. 8. 65-68 (1987)
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[Publications] H. Kurose: Calcified Tissue International. 1987. 249-251
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[Publications] Y. Seino: Bone and Mineral. 2. 479-485 (1987)
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[Publications] Y. Yamamoto: Endocrinology. 122. 576-580 (1988)