1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61570501
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
上出 良一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (40119780)
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Keywords | 肥満細胞 / ヒスタミン / 脱顆粒 / TCSA / アフロクァロン / 光毒性反応 / 紫外線 |
Research Abstract |
緒言:我々は61年度までの研究で, 脱顆粒刺激による肥満細胞からのヒスタミン遊離が, 中波紫外線ならびにソラーレン+長波紫外線(UVA)照射(PUVA)により抑制されることを明らかにした. 62年度の研究においてはソラーレンとは異なる作用機序を持つと考えられる光感作物質(Tetrachlor-salicylanilide(TCSA)とAfloqualone(AQ)を用いて光毒性反応が肥満細胞機能に与える影響を検討した. また平行して光溶血反応にてこれら物質の光感作能を評価し, 肥満細胞を用いた実験と比較検討した. 方法:ラット腹腔より精製分離した肥満細胞浮遊液に各種濃度のTCSAまたはAQを添加した後, UVAを照射した. compound48/80(48/80)を添加して脱顆粒を起こさせ, 上清中と肥満細胞内に残存するヒスタミン量をそれぞれ螢光法にて測定し, ヒスタミン遊離率を算出した. 光溶血反応は1000倍ヒト赤血球浮遊液に光感作物質を加えた後, UVA照射を行い, 溶血度を測定した. 結果:48/80による肥満細胞からのヒスタミン遊離は500ng/mlのTCSA添加後12.5-50KJ/m^2のUVA照射および500-1000ng/mlのAQ添加後50KJ/m^2のUVA照射にて有意に抑制された. 光感作物質のみ, UVA照射のみでは, 抑制されなかった. 光溶血反応ではTCSAは肥満細胞脱顆粒より高濃度, 高照射量の条件で溶血がみられ, AQでは溶血は認められなかった. 考按:今回の実験結果は, DNA障害以外の機序を持つ光感作物質でも肥満細胞の脱顆粒を抑制することが確認された. その詳細な機序は今後の解析を待たねばならないが, 本実験系が未知の光感作物質のスクリーニングに応用可能であることが示された.
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