1986 Fiscal Year Annual Research Report
人工知能による適応血糖制御システムの開発-エキスパート・システムの応用-
Project/Area Number |
61570552
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鮴谷 桂和 阪大, 医学部, 助手 (20144462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 豊彦 大阪大学, 医学部付属病院, 医員
山崎 義光 大阪大学, 医学部付属病院, 医員 (40201834)
河盛 隆造 大阪大学, 医学部, 助手 (00116021)
七里 元亮 大阪大学, 医学部, 助教授 (00028515)
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Keywords | 糖尿病 / closed-loop system / エキスパート・システム / 人工知能 / コンパートメント・モデル |
Research Abstract |
パーソナル・コンピューターとAD変換ボードを結合、連続血糖計測システムと結び、糖尿病診断・治療のための"エキスパート・システム"のハードウェアを作成した。更に、CPUの数値演算能力を飛躍的に向上させるため、数値演算プロセッサを装着した。 このシステムに次のコンピュータ・ソフトウェアを組み込んだ。(1)ノイズ除去アルゴリズム(2)血糖予測アルゴリズム(3)生体内・ブドウ糖インスリン循環動態アルゴリズム(4)皮下組織インスリン・コンパートメントモデル(5)closed-loopインスリン・ブドウ糖静脈内注入アルゴリズム(6)血漿ブドウ糖・インスリン"クランプ"アルゴリズム。 このアルゴリズムを"C"言語を用いて記述し、パーソナル・コンピュータ上で、連続測定された血糖値データから生体内のブドウ糖・インスリン動態の"real time"での追跡が可能となった。 開発したエキスパート・システムを用いて、糖尿病患者の血糖日内変動の制御をインスリン皮下注入により行い、良好な血糖制御を得た(Diabetes Research4:in press,人工臓器16:in press)。この時のインスリン一日必要量はエキスパート・システム装着前後に良好な血糖の日内変動をえたインスリン皮下注射量とほぼ同量であった。また、内部のコンパート・アナリシスより推定した血漿インスリン濃度は、実測値とよく一致した。これらの事実は、組み込まれたブドウ糖・インスリン循環動態アルゴリズムは生体内のブドウ糖・インスリン動態を表現しうることを示唆した。またこのエキスパート・システムを糖尿病患者に応用することにより、皮下インスリン注射の必要量を簡便に、短時間で推定しうることを認めた。更に、血糖・血漿インスリン"クランプ"アルゴリズムを健常人、糖尿病患者に応用、ブドウ糖摂取率・インスリンの作用特性の解析が可能となった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] ASAKAWA N.et.al.: Diabetes Research. (1987)
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[Publications] 朝川信之: 大阪大学医学雑誌. 36(12). 387-395 (1986)
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[Publications] 山崎義光,他: 人工臓器. 16. (1987)