1986 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子レベルでの糖尿病の解析と高危険因子群の予知と予防
Project/Area Number |
61570553
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
土井 邦紘 神戸大, 医学部, 講師 (30030878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 武敏 神戸大学, 医学部, 教授 (20030851)
前田 盛 神戸大学, 医学部, 助教授 (50030911)
馬場 茂明 神戸大学, 医学部, 教授 (10030818)
河原 啓 神戸大学, 医学部, 助手 (60161379)
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Keywords | 糖尿病の成因 / インスリン遺伝子 / HLA遺伝子 / インスリンレセプター遺伝子 / 膵ラ島培養細胞株 / 発癌遺伝子 |
Research Abstract |
インスリン遺伝子5'個多様性については、同部位長が長いものの頻度が、日本人においては、コーカシアン、アメリカ黒人、ピマインディアンに比して有意に少ないことから、インスリン非依存性糖尿病の有用なマーカーとはなり得ないと考えられた。しかし最も長いもの(Bellらの報告のclass3)のホモ接合体はインスリン非依存性糖尿病にのみ家系検索においても認められ今後の検討が必要であると考えられた。HLA遺伝子については、日本人インスリン依存性糖尿病と正相関するDR4、9型、負相関するDR2型につき検討し、同じタイプの糖尿病者、非糖尿病者間でバンドパターンの差を認めており、血清学的タイピングとあわせ、DNAタイピングの有用性を明らかにした。さらにインスリン遺伝子周辺の塩基点多様性、インスリンレセプター遺伝子の多様性も認めているが、これらはDNAマーカーとして用い、家系検索を対象とし、癌病遺伝子座の解明に寄与すると考えられる、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ハンチントン病などの成功例が次々報告されており、糖尿病に於ても従来想定しているインスリン、HLA、インスリンレセプター、インターロイキンなど以外に"糖尿病遺伝子"同定の可能性を秘めている。現在のところ遺伝様式の明確なMODYが好対象であろう。 CML、バーキットリンパ腫など染色体異常と発癌遺伝子活性化との関連を示唆されている疾患は多い。ラット肝ラ島細胞株RINm5Fに於て発癌遺伝子Ha-vas、mycの発現亢進を認めている。特にmycはmRNAの質的異常も同定しており、染色体異常とあわせ検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nobuo Aoyama: Diabetes Care. 9. 365-369 (1986)
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[Publications] 土井邦紘: 日本臨床. 44. 1069-1077 (1986)
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[Publications] 馬場茂明: Diabetes Journal(糖尿病と代謝). 14. 91-92 (1986)
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[Publications] 青山伸郎: 糖尿病. 28. 1426-1428 (1985)
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[Publications] 青山伸郎: 糖尿病. 29. 1103-1105 (1986)
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[Publications] 青山伸郎: 病理と臨床. 5. 165-172 (1987)