1988 Fiscal Year Annual Research Report
膜プレイト固定化培養肝細胞を用いた肝補助装置の開発
Project/Area Number |
61570598
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
圓谷 敏彦 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (70142198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿田 章 北海道大学, 医学部, 助教授 (90109439)
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Keywords | ブタ肝細胞 / 初代培養 / ヒト-EGF / 異種血清による細胞培養 |
Research Abstract |
昨年までの本課題による研究では、イヌ初代培養肝細胞は、同種血清中においても合成培地と同様、もしくはそれ以上の機能を有し、それを用いた人工肝臓が、肝全摘出イヌの生存時間を有意に延長することをあきらかにした。そこで本年度はこの人工肝臓の臨床への応用の可能性を検討するために、肝細胞を異種の血清によって培養するための至適培地条件、および培養された細胞の有する機能について検索を行った。 イヌ肝細胞はヒト血清、ブタ血清いずれにても培養は不可能であった。 ブタ肝細胞は、L-15培地に、Aprotinin;5000U,Proline;30mg/1,h-EGF;10ng/ml,Insulin,Glucagone,Dexamethsoneをそれぞれ10^SM以上添加した培地により少なくとも、2週間以上は安定した単層を形成した。にヒト血清による培養が可能であり、かつ高度の機能を維持することが確認された。 またブタ肝細胞を合成培地で3日間単層培養したのち、培養液を100%ヒト血清に置換して培養を継続した。この結果でも、ブタ肝細胞は死滅することなく良好な形態を保ち、しかも合成培地に劣らない機能を発現した。 以上の結果から、ブタ肝細胞は人工肝臓のバイオリアクターとして臨床応用が可能なことが示唆されるにいたった。
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[Publications] 浜田朋倫 他: 人工臓器. 18. (1989)
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[Publications] 圓谷敏彦: 医学のあゆみ. (1989)
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[Publications] 熊谷文昭: 日本外科学会雑誌. (1989)
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[Publications] Uchino,Junichi: ASAIO transaction. 34. 972-976 (1989)
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[Publications] Tsuburaya,Toshihiko: ASAIO transaction. (1989)