1987 Fiscal Year Annual Research Report
小児の食道胃接合部の括約機構に関する研究-食道内圧測定と食道内pH測定による噴門部の機能検査
Project/Area Number |
61570603
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 英世 千葉大学, 医学部・附属病院・小児科, 教授 (00009474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 直躬 千葉大学, 医学部・附属病院・小児科, 助手 (50125910)
真家 雅彦 千葉大学, 医学部・附属病院・小児科, 助教授 (80009480)
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Keywords | 下部食道昇圧帯 食道内圧 pH 胃食道逆流現象 GER LES |
Research Abstract |
昭和61年度の研究で消化管内圧測定の標準化のためにはlowcompliance pumpによる注入法が必要であることを明らかにしたが, さらに年令に応じた食道内圧測定用のカテーテルの至適な太さについて補足的な検討を行い, 新生児を対象とする場合には8Fr以下のカテーテルを用いるべきであることを明らかにした. これらの方法を用いて胃食道逆流現象(GER)を主訴とする患児35例の食道内圧測定を行い, 逆流をみとめない対照群と比較検討を行った. その結果, 1)逆流群の下部食道昇圧帯(LES)圧は正常群に比し有意をもって低値を示しまた日令による差を認めなかった. 2)LESの幅は正常群との間に差を認めなかった. 3)GERに対する内科的治療の経過中におけるLES圧の変化をみると症状の改善と共に圧の上昇がみとめられ, 症状消失時のLES圧の臨界値は 27emH_2Oであった. したがってこれ以上のLES圧があるならば噴門機能は正常であると考えられる. 一方噴門機能の動的な評価法として下部食道の24時間持続pH測定を行い, pH4以下の逆流時間, 回数, 最長時間, 5分以上持続した逆流の回数をパラメータとしてスコアリングを行ったところ, GER群は対照群に比べ明らかな低値をとり, 逆流時間, 逆流回数と強い相関が認められた. 食道内圧測定による食道噴門部の機能評価はある一時点での静的な評価であり, これに長時間の動的な解析が可能なpH計測を組合わせることにより, より確度の高い機能評価法とするべく研究を進めている.
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Research Products
(1 results)