1988 Fiscal Year Annual Research Report
小児の食道胃接合部の括約機構に関する研究-小児食道内測定法と食道内PH測定検査による噴門部の機能検査
Project/Area Number |
61570603
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 英世 千葉大学, 附属病院小児外科, 教授 (00009474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 直躬 千葉大学, 医学部小児外科, 助手 (50125910)
真家 雅彦 千葉大学, 医学部小児外科, 講師 (80009480)
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Keywords | 小児 / 胃食道逆流現象 / 食道内圧測定 / 24時間下部食道PH測定 |
Research Abstract |
1.24時間食道PH検査にて胃食道逆流現象(GER)の質的な解析を行うため、133症例で、新しく24時間PH分布ヒストグラム、逆流時間分布ヒストグラムを検討した。その結果、1)成因の異なるGERで、異なったPHヒストグラム分布を示すことがわかった。2)術後症例では、PHヒストグラムが正常例に近づく。3)逆流時間分布ヒストグラムは、GERの成因によらず同様な分布を示した。以上より、従来GERの量的な検討のみであったPH検査で、質的な検討をも行うことが可能であることがわかった。 2.形態的な検索法である上部消化管造影のGERの指標としての意味を、100例で検索した。MaCauleyのgrade分類、delayed refluxの有無、His角、穹〓部指数、噴門部開大の造影所見を食道内圧、24時間食道PH検査と対比し、推計学的に検討した。その結果、 1)GERの量的な指標であるPH検査と比較的強い相関を示したが、質的な検査法である食道内圧検査法とは相関が弱かった。 2)噴門部開大、delayed reflux、grade分類がPH検査との相関を示した。 3)McCauleyのgrade分類は、Ph検査によるGERの程度と相関を示し、その評価法として妥当であることがわかった。 4)上部消化管造影の所見により、多変量解析法によりPH検査異常群(=GER)と正常群の判別を行い、的中率は65.8%、誤判別率は31.7%であった。 3.小児GER46例を対象として、その保存的治療について検討した。その結果、保存的治療の効果はほぼ満足できることがわかった。さらに保存的治療における問題点についても検討した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 岩井潤: 小児外科. 20(3). 283-292 (1988)
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[Publications] 岩井潤: 小児外科研究会の歩み. 2. 23-25 (1988)
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[Publications] 岩井潤: 外科診療. 30. 1764-1765 (1988)