1986 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌(胃癌,大腸癌)に対するモノクローナル抗体の画像診断への応用
Project/Area Number |
61570645
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邊 正 名大, 医学部, 講師 (20144157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (70154755)
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Keywords | 胃癌 / 大腸癌 / モノクローナル抗体 / 画像診断 / 癌胎児抗原 / 転移 |
Research Abstract |
抗体を用いた画像診断において重要な点は、抗体の有する特異性にあるがわれわれの作製した抗CEAモノクローナル抗体は、免疫組識学的方法により検索した結果、20例以上の大腸癌症例と全例反応し、正常大腸組識とは反応を示さなかった。また他の多くの癌と反応しなかったが汗腺と反応した。全体として腫瘍特異性は高く画像診断に有効と考えられる。また胃癌を免疫原として作製したGC302は、分子量40Kであり、Koplowskiらの17-1Aと特異性が極めて類似していた。17-1Aは現在まで画像診断に広く用いられるため、GC302も有用性が示唆される。これら両抗体の腹水中のVirus感染はないことが確認できたため、ヒトへの使用が可能と考えられた。ヒトへの投与にあたっては、一般のRIAの標識と異なり、抗体量も放射線量もmg,mCi単位と大量であるため、有効な標識率をつかむ基礎実験、および標識法としてIodogen法,クロラミンT法などを検討した。現在まで抗CEA抗体を5例の大腸癌肝転移症例に投与し、そのうち2例に抗体の集積をみた。局所再発例1例においては、膀胱との重なりのためよい画像が得られず、今后さらに検討したい。ヒトへの投与はヌードマウス移植下腫瘍の造影と異なり、1mCi以上投与することが望まれるので、現在まで造影されなかった症例については、抗体量、放射線量が不十分であったと考えられる。現在、抗体の F(ab)分画の作製を行い、抗体の集積率の向上につき、ヌードマウス移殖下腫瘍への投与と、オートラジオグラフィーを用いて観察しつゝある。F(ab)'により集積率が高く、かつ早まることが確認できれば、半減期の短かい【^(123)I】を用いることができ、より安全性、簡易性が保障されるものと考えられる。
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[Publications] I.Yokoyama.: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 77. 1114-1121 (1986)
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[Publications] T.Watanabe: Jpn.J Surgery. (1987)
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[Publications] S.Akiyama: Jpn.J.Surgery. (1987)
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[Publications] 市原透: 消化器と免疫. 16. 268-272 (1986)
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[Publications] 浅岡峰雄: 肺癌.
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[Publications] 徳丸隆彦: 日本消化器病学会雑誌.
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[Publications] 高木弘: "The Latest Therapy シリーズ 「直腸癌局所再発の手術」" 医学教育出版社, 11 (1986)
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[Publications] 渡辺正: "手術 「直腸癌に対する骨盤内臓器全摘出術とその適応」" 金原出版, 7 (1987)