1988 Fiscal Year Annual Research Report
心臓外科における総合的輸血後肝炎予防対策(Auto transfusionなど)
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61570683
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
磯村 正 久留米大学, 医学部, 講師 (30140643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 正康 久留米大学, 医学部, 助手 (00192401)
久富 光一 久留米大学, 医学部, 助手 (10183576)
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Keywords | 輸血後肝炎 / GVHD / 自家血輸血 / セルセーバー / 胸腔内ドレーン / 血返血 / GVHD(Graft Versus Host Disease) |
Research Abstract |
開心術後の輸血後肝炎をはじめとする他家血輸血に基づく種々の合併症予防、血液使用削減を目的とし、種々の方法により総合的検討を行った。対象を30kg以上の小児、重症成人例にまで拡大し、術前、術中、術後の血液使用節減を行った。 (1)術前、自家血採血:手術予定1ケ月前まで400〜1200ccの自己血を採血、日赤の協力を得て手術日まで保存を行っていたが、昭和63年10月から日赤の都合で約3ケ月間保存が出来ず術直前(1週間〜術日)採血しており、400〜600ccの保存を行い対処した。現在日赤保存血収容の関係上1ケ月前までの血液保存は400cc/1人となっている。 (2)術中自家血輸血:術中に術野および人工心肺残留血をすべてセルセーバーで処理し、輸血を行い、平均837ccの返血を行うことが出来、無輸血手術症例は32.5%となった。 (3)術後胸腔内ドレーン血の回収:回収装置を1台追加講入することが出来、術後46例の患者に術後胸腔ドレーンよりの出血を返出することが出来るようになり、平均324ccの出血を返血出来た。この間に細菌感染、重症溶血の発生は認めなかった。 (4)昭和63年10月より新鮮血に対し、1500radのradationを使用前に行うことが本学輸血部放射線科の協力を得て出来るようになった。以上の方法により血液使用の削減が行え、肝炎発生率も9.4%と激減した。しかし残念なことに初期昭和61年に家族血(新鮮血)使用の1例、昭和62年保存血使用の1例にGVHDの発生を認め、いずれも3週間以内に失い、今後はことにこの発生予防の意味でも自己血使用、radationの徹底(保存血においても)さらに他家血輸血削減に努めるべきである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 磯村正: 人工臓器. 17. 1385-1387 (1988)
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[Publications] 平野顕夫: 自己血輸血. 1. 85-88 (1988)
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[Publications] 安藤文彦: 人工臓器. 18. 395-398 (1989)