1986 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病の病態を制御するヒト培養線維芽細胞由来の生理活性物質
Project/Area Number |
61570911
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野村 慶雄 岡山大, 歯学部, 助教授 (50107075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 洋二 岡山大学, 歯学部, 教授 (50029972)
清水 秀樹 岡山大学, 歯学部, 助手 (70170983)
木下 正彦 岡山大学, 歯学部附属病院, 講師 (80161537)
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Keywords | 歯肉線維芽細胞 / 細胞増殖促進因子 / 細胞代謝機能 |
Research Abstract |
歯肉の線維芽細胞は、血清由来の細胞調節因子のほかに、線維芽細胞自ら合成分泌する調節因子(以下線維芽細胞増殖促進因子と呼ぶ)により、その細胞代謝機能が制御されている可能性が大きい。この線維芽細胞増殖促進因子は、他の生理活性物質(例えばプロスタグランジン)などとの相互作用により、歯周病の病態を制御していることも予測できる。そこで、次の研究計画に従って、線維芽細胞増殖促進因子の作用を明らかにしようとした。 1.線維芽細胞増殖促進因子の分離・精製 2.線維芽細胞増殖促進因子の生物学的活性の測定 3.生理活性物質との関係 1と2は主として61年度の、3は62年度の研究課題とした。 〈研究成果〉 ヒト歯肉線維芽細胞ATCC株を培養し、その血清無添加培養上清を研究材料とした。このものを、限外濾過、ゲル濾過(Sephadex G150)により分画した。ゲル濾過の各画分を透析後、ヒト歯肉線維芽細胞培養系に添加し、その生物学的活性を、核酸代謝への作用から評価し、次の結果を得た。 1.各画分の添加による細胞形態への影響は観察されなかった。 2.分画前の資料添加により、DNA合成は、1%NCSによる合成促進の約1/2であった。 3.ゲル濾過による分画により、分子量20万と2万付近に、DNA合成を促進する画分が得られた。 今後、それぞれの画分を等電点電気泳動などを行い、更に精製をすすめるとともに、生物学的諸活性および他の生理活性物質との相互作用を検討予定である。
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