1986 Fiscal Year Annual Research Report
地域における精神衛生上の問題の顕在化とサポートシステム確立の援助方法に関する研究
Project/Area Number |
61571123
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Research Institution | Tokyo Institute of Psychiatry |
Principal Investigator |
外口 玉子 精神医研, その他, 研究員 (70090397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 洋子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授
伊藤 ひろ子 (財)東京都精神医学総合研究所, 研究部, 研究員
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Keywords | 地域精神衛生活動 / 保健婦の役割 / 精神衛生相談 / 相談行動 / サポートシステム / 自助グループ |
Research Abstract |
初年度は、K保健所に昭和51年4月1日〜昭和61年3月31日までの10年間にもちこまれた精神衛生相談事例をとりあげ、既存の「精神衛生相談記録 に基き、a)相談のもちこまれ方、b)相談行動を動機づけた出来事、c)"問題"になっている人(本人)と相談に来た人(相談者)との関係性、d)その後に保健婦が行った援助、の各項目にそって基礎資料を作成した。それによって精神衛生上の"問題"が顕在化されてくる過程を分析し、本人の地域での生活を支えるサポートシステムの確立にむけて、必要とされた援助内容について明らかにした。 1.精神衛生上の"問題"を顕在化させていく過程で、保健婦の集中的ケアが必要とされた事例を抽出し、1)相談をもちこんできた人と本人との関係、2)初回面接時の相談内容から「相談行動の類型化 を試みた。その結果、得られた7類型別に援助の重点を明らかにした。 2.サポートシステムとしての家族のもつケア能力、すなわち「家族力量 を重視する立場から、家族から入院要請をうけた事例を抽出し、1)その背景的条件、2)家族ダイナミズムを把握し、家族力量別にサポートシステムの確立に向けての援助のあり方について考察した。 3.開設以来(昭和55年1月〜昭和61年3月)のデイケア参加者を抽出し、「自立・成長過程における影響因 について6つの側面から分析し、尺度化を試みた。その結果、在宅精神障害者のケアの継続性を保障するために必要とされる"場"と"人"の条件について、より具体的に把握できた。 4.本研究の対象者の"問題"の顕在化とサポートシステムの確立の過程において関与した関係機関及び自助グループの機能と役割について明らかにし、「セルフヘルプグループセミナー を企画実施し、自助グループと保健婦活動との連携のあり方を検討・考察した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 外口玉子,伊藤ひろ子,中山洋子,下村佳子,田中重子,柏木由美子: 第17回 日本看護学会集録-地域看護-. 143-145 (1986)
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[Publications] 外口玉子,伊藤ひろ子,金井美智恵,中山洋子: 日本公衆衛生雑誌. 33巻10号. 609 (1986)
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[Publications] 谷口啓子,下村佳子,外口玉子,伊藤ひろ子 他: 日本公衆衛生雑誌. 33巻10号. 623 (1986)
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[Publications] 伊藤ひろ子,外口玉子,下村佳子,谷口啓子 他: 日本公衆衛生雑誌. 33巻10号. 624 (1986)
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[Publications] 外口玉子,久保紘章: 看護学雑誌. 51巻1号. 26-55 (1987)
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[Publications] 外口玉子: 精神医学. (1987)