1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61580041
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒澤 努 阪大, 医学部, 助教授 (60129997)
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Keywords | 実験動物 / ラット / マウス / エンドトキシン / 微量測定 |
Research Abstract |
実験動物の血中エンドトキシンの定量法確立には、まず測定系をエンドトキシンフリーとしなければならない。このため試料に接触するガラス製品は全て、乾熱処理が必要であるが、その条件として、SPFラット,マウスの血中エンドトキシン規準値を考えると、250゜C,3時間以上の乾熱処理で実用上のエンドトキシンフリーが得られることを解明した。 また市販のデイスポーザブルのガンマーラデイエーションした合成樹脂製品,試験管,ピペットチップなど、を使用した場合も10Pg/ml以上のエンドトキシン(E.Coli 0111;B4 Westphal法)濃度に関してはデータは安定していた。 実験動物をエンドトキシン研究に使用する場合、その試薬を調製する水および調製後の水溶液のエンドトキシンは実験データに影響を及ぼすものと考えるに至った。一般的な海水,湖沼水,にはng/ml以上のエンドトキシンが検出されるが、水道水はもちろん、通常の蒸溜水,および超純水においてもng/mlのエンドトキシンが検出された。すなわち通常の実験室環境における水溶液試薬は、実験動物におけるエンドトキシン研究上、使用できないことを解明した。 以上マウス,ラットで確立されたエンドトキシン測定法を用いて、実験モデルとして経口的細菌チャレンジの血中エンドトキシンへの影響を解折した。Yersinia Pseudotuberuculosisの【10^7】およびSalmonella enterotidisの【10^9】投上でPg/mlオーダーのエンドトキシン上昇が見られた。從来のエンドトキシン測定法ではこうした微量な部分は測定し得ず、本研究で確立した、実験動物のエンドトキシン測定法により、微量な血中エンドトキシンの変動が解折され得ることが明らかとなり、今後のこの分野の実験動物学的研究が一層発展することが期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 黒澤努,他: 実験動物.
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[Publications] 黒澤努,他: 実験動物.
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[Publications] 黒澤努 他: "第7回エンドトキシシン臨床研究会記録(予定)" 羊上社,