1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61840002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 泰正 東大, 東京天文台, 教授 (50011458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 昇 三菱電機, 通信機製作所・衛星通信部・第一機械技術課, 主事
森下 巌 東京大学, 工学部, 教授 (70010725)
家 正則 東京大学, 東京天文台, 助教授 (30111446)
西村 史朗 東京大学, 東京天文台, 助教授 (10012840)
小平 桂一 東京大学, 東京天文台, 教授 (60012845)
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Keywords | 大型望遠鏡 / 軽量化主鏡 / 鏡面制御 / 能動支持 |
Research Abstract |
口径7.5m級の大型望遠鏡の建設には主鏡の軽量化が必須であり、軽量化主鏡材としてはハニカム鏡と薄メニスカス鏡が検討された。ハニカム鏡の場合には熱膨張係数の比較的大きい鏡材しかつかえないこと、またリブ構造からくる局所的変形が比較的大きく、これを制御することは因難なことがわかり、主に薄メニスカス鏡で検討を進めた。鏡面制御のためのアクチュエータには空気圧,油圧,ピエゾなど種々のものが検討されたが、バネを縮小機構に用いたボールネジ方式が作動範囲,分解能,時定数の点で選択された。バネを介しているのは初期組立時などに鏡の全荷重が1点に集中するのを避けるのに適している。 薄メニスカス鏡では剛性が著しく小さいから能動支持は必須であり、鏡の局所変形を抑えるため約400の支持点が必要である。各点は力支持であり、望遠鏡の姿勢によってゼロから50kgの荷重を支える。力支持精度は150gだが、誤差の統計的ふらつきを孝慮して約10gに設定された。自重変形計算の結果、セルの変形が軸方向に3mmと大きいことがわった。横方向支持にはこのセルの変形を吸収する構造が考えられた。また自重によるセルと鏡の横方向変位を消去して出力を測定する構造が提案された。 これらの概念設計を基にして設計を進め、実験用アクチュエータ及び制御部品を試作した。現在、これについて単体試験を行ない、データを取得しているところである。また、変形実験に用いる試験鏡材を研磨した。この鏡は口径60cmの薄メニスカス鏡で、厚さ2cm、曲率半径3mの球面鏡である。球心でのロンキー・テストの結果、面はスムースであり、像は約30μmで充分実験につかえることがわかった。次年度ではこれらを組合せて、実際に鏡を変形させる実験を行ない、シミュレーションの結果と比較して、実際の設計に必要な基礎データを得る予定である。
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