1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61850077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 敏治 東大, 工学部, 助教授 (80011170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦 環 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60111564)
冨田 康光 大阪大学, 工学部, 助教授 (30029251)
榎澤 誠 東京大学, 工学部, 助手 (40011077)
大塚 守三 東京大学, 工学部, 助手 (30010896)
大野 伊左男 住友重機械工業(株), 追浜造船所, 事業本部長取締役・船
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Keywords | 自動曲げ / 船体外板 / 二重曲率 / 多点プレス / スプリングバック / 座屈変形 / 有限要素法 |
Research Abstract |
船体建造法のうち最も自動化が遅れているのが外板の曲げ加工であるといわれている。特にX方向およびY方向の二重曲率を有する曲面板の製作については、ガス加熱によって曲げ加工しているが、材質劣化の問題、人手がかかり過ぎる問題、或いは熟練工の必要性など多くの難点を含んでいる。最近の船舶の設計・建造工程では、コンピュータ支援による設計・生産工程が組み込まれており、板曲げ加工の自動化が強く要望されている。本年度は板の自動曲げ加工用試験機の設計および製作を主目的に研究を進めた。 1).板曲げ加工に関する文献調査:ビームの自動曲げに関しては実用機が開発されているが、二重曲率を有する板の曲げについては実用機がないばかりでなく、実用化に対する問題点の整理も十分でないことがわかった。 2)プロトタイプ試作のための問題点の検討:多点プレス方式を導入する場合、ポンチ間隔の決定が最も重要であることがわかった。これは板曲げ工程では、板の面外曲げモーメントばかりでなく、面内応力が重要な要因であり、面内圧縮応力が或る限界値を超えると、座屈変形が生じてしまうためである。又、プレスの荷重設定も重要である。これらを試算するために既在の有限要素法計算を実施した。 3)プロトタイプの試設計・試作:上記問題点を孝慮して、ポンチ間隔を4通り変化させる事ができるプロトタイプを設計・試作した。 4)スプリングバッグ量推定の為の数値計算法の検討:プロトタイプの設計・製作と同時に、板曲げの自動化にはスプリングバック量の推定法が必要である。これは、船体の曲面に自動的に曲げる為には、船体曲面とは異なる設定曲面にプレス加工し、スプリングバッグ後に船体曲面となるよう配慮しなければならないからである。本年はこのスプリングバックを推定する事のできる数値計算法の開発を同時に研究した。特に板曲げ加工に有用な有限要素法に基礎を置いた計算アルゴリズムを開発した。
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