1986 Fiscal Year Annual Research Report
耐火試験時のコンクリート床内の熱及び水分同時移動に関する研究
Project/Area Number |
61850107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺井 俊夫 京大, 工学部, 教授 (50025863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十倉 毅 日本建築総合試験所, 音熱動風圧試験室, 室長 (50341061)
正法院 陽三 日本建築総合試験所, 耐火試験室, 副所長兼室長
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Keywords | 床版の耐火試験 / 熱水分同時移動 / 温度の横這い |
Research Abstract |
我国の3つの試験所で行った耐火試験のうち、床と壁に関する結果を収集した。今回は合成床版の134件について、試験体の形状,コンクリートの配合,養生及び含水率,試験条件の相違と,裏面温度の時間経過について分析した。まず裏面温度の時間経過のタイプ分けと、各タイプと裏面最高温度横這い時間について相関を調べ、また原因についての考察を行った。最高温度の現れ方は試験体のひび割れに著るしく依存し、またばらつきも大きい。横這い時間との相関も少く、最大温度で評価する方法の不確実さを明にした。一方ISOの判定法では、ばらつきは少い。 また実大試験体を7体製作し、内部,表面温度の時間変化,重量減少及びコンクリート内部水蒸気圧の測定を行った。加熱条件としてJIS標準加熱曲線とその90,110%とし、時間温度積を等しくした。その結果、110%加熱の場合が最高温度が最も高く不利なことが明になった。またJIS,ISOの規定に従い熱電対の圧着方法を変え温度を測定した。この結果JISの方法が裏面温度が最も高く不利な判定となることが分った。重量減少の測定では、時間と共にほぼ一定の減少を示すことが明になり、コンクリート内部圧力の測定では、温度が横這いを生ずる時間内で水蒸気圧が高くなり、その値は横這温度に応ずる飽和水蒸気圧にほぼ等しいことが確められた。 計算機によるシミュレーションで、JISとその90,110%加熱の場合との比較を行った。結果は、温度の値は実測値とよく一致するが、時間的に現象が早く進行する傾向になり、重量減少量も測定値の75%程度となった。また物性値の測定に関しては、普通、軽量コンリート,骨材,モルタル(コンクリートから骨材を除いたもの)について、熱伝導率(800℃迄),空隙率を測定した。モルタルと骨材の値よりコンクリートの熱伝導率を推定するとよく一致した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤川慧: 日本建築学会近畿支部研究報告集. (1987)
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[Publications] 三田村茂雄: 日本建築学会近畿支部研究報告集. (1987)
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[Publications] 田坂茂樹: 日本建築学会近畿支部研究報告集. (1987)
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[Publications] 吉田正友: 日本建築学会近畿支部研究報告集. (1987)
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[Publications] 原田和典: 日本建築学会近畿支部研究報告集. (1987)
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[Publications] 上田哲夫: 日本建築学会近畿支部研究報告集. (1987)