1988 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファスイオン伝導体を用いた全固体電池の作製と特性評価
Project/Area Number |
61850142
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Research Institution | University of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
南 努 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 信也 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10190381)
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学部, 助手 (50137238)
峠 登 大阪府立大学, 工学部, 講師 (00081315)
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Keywords | イオン伝導ガラス / 全固体電池 / 二次電池 / 銀電池 / リチウム電池 / 電気伝導度 / カソード材料 |
Research Abstract |
全固体電池は、小型、軽量、漏液の心配がないなどの多くの特徴を持つことから、新しいタイプの電池として注目を集めている。しかしながら現在のところ、信頼性の高いものが得られているとは言い難い。これは(1)充分に高いイオン伝導度を有する常温型固体電解質が得られていない、(2)カソード材料として何が適しているか充分な知見が得られていないなどの理由による。本研究は優れた特性を持つ全固体電池を作製し、その特性評価を行うことを目的として、(1)高いイオン伝導度をもつ常温型固体電解質の開発とその薄膜化、(2)固体電池用の新しいカソード材料の合成と特性評価を行ったものである。主な成果は次の通りである。 1.価数の異なったオルトオキソ酸アニオンを含むCuIーCu_2MoO_4ーCu_3PO_4系銅イオン伝導性ガラスを作製し、その伝導機構について検討した。その結果、Cu^+イオンはガラス中に存在するI_4四面体クラスターからなる伝導経路を主に伝わること、ガラス中のオルトオキソ酸アニオンは伝導キャリアーであるCu^+イオンのトラップとして働くことを見出した。 2.Fe_2O_3ーV_2O_5系ガラスを双ローラー超急冷法により作製し、リチウム電池用カソード材料としての特性評価を行った。その結果、これらの電池は3V以上の高い起電力を示し、200Ahkg^<-1>以上の大きなエネルギー密度を持つことより、カソード材料として優れていることがわかった。また放電容量、正極における反応速度ともに、Fe_2O_3を10ー20mol%含むガラスが最も高い値を持つことを見出した。 3.酸素とイオウという2種類のアニオンを含むLiBO_2ーLiBS_2系ガラスを作製し、そのリチウムイオン伝導特性について検討した。その結果、これらのガラスが高いイオン伝導性を持つこと、また2種のアニオンを混合することによって酸化物単独のものより高い伝導度を示すことを見出し、このガラスがリチウム電池用電解質として使用し得ることを明らかにした。
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[Publications] M.Tatsumisago: J.American Ceramic Soceity. 71. 766-769 (1988)
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[Publications] N.Machida: J.American Ceramic Society. 71. 784-788 (1988)
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[Publications] M.Tatsumisago: J.American Ceramic Society. 71. 766-769 (1988)
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[Publications] T.Minami: Material Chemistry and Physics. 20. (1989)
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[Publications] N.Machida: J.Electrochemical Society. 136. (1989)
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[Publications] N.Machida: Solid State Ionics. 33. (1989)
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[Publications] 南努: "スーパーファインセラミックス制御技術ハンドブック" サイエンスフォーラム, (1989)