1986 Fiscal Year Annual Research Report
紙・ファイバーボードの断面構造解析における顕微鏡的解析システムの導入
Project/Area Number |
61860017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 浩 京大, 農学部, 教授 (30026497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉見 哲 大建工業開発研究所, 主査
奥島 俊介 王子製紙, 中央研究所, 上級技師
村上 浩二 京都大学, 農学部, 教授 (30026504)
藤田 稔 京都大学, 農学部, 助手 (60026599)
佐伯 浩 京都大学, 農学部, 助教授 (40026498)
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Keywords | 紙 / ファイバーボード / 紙の横断薄切片 / 紙の断面形態解析 / 紙の加工特性 / フーリエ変換 / シートの薄切法 |
Research Abstract |
数種の紙シートおよびファイバーボードを供試材料として選び、これらの断面画像の作製法の確立を今年度の第一課題とした。このうち、パルプだけを原料とする紙シートについては、エポキシ樹脂包埋法とアロンアルファ樹脂包埋法にガラスナイフ切削法を組み合せることにより、精度の高い薄切片(1-3μm厚さ)を得ることが可能となった。これらの薄切片から光顕の画像が作製された。また、5-8枚のシートを重ね合せて包埋する"多層包埋法"を開発した。この方法により、相互に比較されるべき複数のシートが同じ条件のもとで包埋,切断され、同時に画像に記録されるようになった。また切断されるシートの長さを5mm以上にする"長シート切片法"も開発され、紙の地合いなどの、マクロな構造も検出できるようになった。これらに対して、多量の填料などを含む加工性の高い紙シートでは、切削の際にガラスナイフの損傷を伴いがちであり、問題を残している。またファイバーボードのように、紙シートに比べてサイズが非常に大きい試料に対しては、より広い面積の切片作製が課題となる。この様な課題に対しては、プラスチックによるシート断面のレプリカの作製を試みている。これらの問題点に対しては、薄切片を作製するよりも,切断表面自体に現れる繊維や填料を走査電顕で画像化する方法や、そのレプリカを光顕で検出することを試みている。これはエポキシ包埋されたシートの断面をガラスナイフやダイヤモンドナイフで削り出したのちに,沸化水素酸の蒸気で繊維の部分をエッチングして微細な凹凸を作製しようとするものである。この技法の開発によりシート断面観察法が完成されるであろう。一方シート断面画像の定量的解析には、自動画像解析装置PIAS-【II】の活用により、シート内の繊維の異方的配列などが測定されるようになった。
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[Publications] 藤田稔: 日本木材学会大会研究発表要旨集. 33. (1987)
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[Publications] 〓北彪: 京大演習林報告. 58. 273-279 (1986)
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[Publications] 湯原隆: 紙パルプ研究発表会要旨集. 53. 44-47 (1986)
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[Publications] 桂徹: 紙パルプ研究発表会要旨集. 53. 102-105 (1986)
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[Publications] 藤原健: 日本木材学会大会研究発表要旨集. 33. (1987)
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[Publications] 岡嶋宏明: 紙パルプ研究発表会要旨集. 54. (1987)