1988 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚誘発電位誘発のための日本語音声刺激装置の開発に関する研究
Project/Area Number |
61870039
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
飯沼 一宇 東北大学, 医学部, 助教授 (80004927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩野谷 和裕 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00208414)
鎗田 勝 日本光電富岡株式会社, 第一技術部, 部長
永渕 正昭 東北大学, 教育学部, 教授 (60004107)
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Keywords | P300 / 日本語音声刺激 / 単語認識反応速度 |
Research Abstract |
当該年度は昨年に引き続き、小児への本機の応用の検討を行った。前年度までに選定を行った5種の日本語音声に加えて「アカ」「アオ」の組み合わせを使用した。これらの識別について検討したところ、第1音が母音で始まる語については最も識別が良好で、次いで「クマ」「クツ」「ハナ」「ハト」であったが「サル」「サラ」の摩擦音で始まる語は識別が困難であった。これは本機の構造が、語音がマイクから入力されてからある一定の閾値の音圧に達した時に書き込みが開始されるため、サ行では子音の部分の感度が弱いため子音の部分が消えてしまうか極めて減弱された語音の造作になるためと考えられた。小児での応用では特に4才の幼児においてトーンバーストではP300が導出されなかったが音声刺激でP300が導出され、本機の有用性が確認された。日本語音声刺激ではP300の潜時が遅れる傾向があった。これは第1音が同じで第2音が異なる2音節の語を用いているので、第1音を聞いて次に第2音を聞いてから標的語であるかどうかを判断するためであろうと考えられた。次に2音の識別に要する反応時間を検討するため、単語認識反応速度計測装置を作成した。これは2種の音と識別した時にボタンを押させ、その際発生させたパルスをP300記録と同時にデータレコーダに記録し、加算することにより、平均反応時間を得るものである。これを用いるとトーンバースト識別では250ー330msec、語音識別では400ー480msecと明らかに語音識別反応時間の方が遅く、語音の識別にはより長い時間を要することが確かめられた。
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