1986 Fiscal Year Annual Research Report
超選択的局所温熱療法を中心とした癌の集学的治療法の開発
Project/Area Number |
61870053
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
林 宏一 旭川医大, 医学部, 助手 (90133834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草野 満夫 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70091569)
江端 英隆 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (20091564)
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 講師 (40091566)
水戸 廸郎 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60000981)
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Keywords | 局所温熱療法 / 磁性流体 / 磁場加温 / 熱電対 / V【X_2】腫瘍 |
Research Abstract |
初年度における研究実施計画は寒栓(TAE)法とHyperthermotherapy法の確立であり、各種塞栓物質の選択と、加温装置の試作および温度測定法の手技的確立が主な目漂であった。癌栄養動脈および門脈塞栓物質として、すでにチタンおよびステンレス粒子を混入入したプロラミンを用いての基礎的実験的研究については報告した。より効果的局所加温による抗腫瘍効果を得るために磁性流体(比重1.5〜1.8、1500Gauss、粘度Pa'S、Co)を作製した。血管内注入によるX線下での造影は良好であり、腫瘍血管の描出および永久的塞栓物質として適当と考えられる。次に体外的局所加温装置の試作品として、磁場加温(誘導加温)を目的とした最大出力500W、出力周波数500K【H_2】の高周波発生器を作製した。同器の仕様は水晶発振方式を採用し、出力電力可変範囲は0.1〜500W、出力インピーダンス50Ωで、電源はAC100V単相を使用する。加温用コイルは内径の異なるものを2種類作製し、実験動物の体幹径に応じて交換して使用する。尚、型名はG57-2301とした。温度測定装置は熱電対によるポータブルハイブリッドレコーダ(横河北辰電機)を用い、加温時に併行して温度測定を試みたが、シールド外では測定不能であり、現在シールドボックス作製中である。 人腫瘍と同様に遠隔転移を生じ、宿主を腫瘍死させる実験腫瘍モデルを大動物に作製することは極めて困難である。しかし、このモデルが存在しなければ本当の意味での抗腫瘍効果の検討は不可能と言って良い。我々は家兎に移植継代されていたし【X_2】腫瘍のin vitroでの培養株化を試み成功した。現在継代150代であり、もどし移植による造腫瘍も確認されている。従って、定量的担癌中型動物による上記塞栓物質の注入と、その磁場加温効果の検討を可能とし、この結果によっては臨床への応用も現実のものとなりうると考える。
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