1988 Fiscal Year Annual Research Report
外耳道圧負荷による平衡機能検査システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
61870068
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Research Institution | Department of Otolaryngology, School of Medicine Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡辺 〓 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80039479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 秀次 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10134694)
大久保 仁 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (30014111)
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Keywords | めまい / 平衡障害 / メニエール病 / 瘻孔症状 / エンヌベール症候 / 身体動揺 / 眼振画像記録 / 外耳道電気刺激 |
Research Abstract |
1.前々年度に試作した定量的外耳道圧負荷装置を使用して、片側耳に陽圧、陰圧の2相性の刺激を加えて身体動揺の加算波形をみる方法と、正法波状の圧負荷を、左右逆相として両耳に反復して加え、身体動揺記録の分析を行なう方法とを引続き比較した。正常者においては両者に精度上の差はみられなかったが、メニエール病などの臨床例においては、前者の方法がすぐれており、とくに小さい圧で陽性反応をます例においては加算を必要としない程、各回の刺激に対し明らかな偏荷を示した。 2.外耳道圧負荷と本質的関連があるものと考えられている音刺激による身体動揺変化の観察、および外耳道電気刺激による非音響性鐙骨筋収縮による身体動揺変化の追究を続けた結果、これらの負荷に対する陽性反応はやはり正常にくらべてメニエール病などの臨床例に高率にみとめられ、これらを外耳道圧負荷装置によるテストと併用することは、この検査システムを補完するものとして有意義であると考えられた。然し音響刺激や電気刺激による反応陽性率は外耳道圧負荷の場合よりも低いことは注意を要する。また、眼振画像記録装置による眼球への反応観察では、照明法を赤外線等に変更しない限り、陽性率はさらに低いことが確認された。 3.メニエール病などの臨床例に対する圧負荷や電気刺激は、反復することによって、耳鳴、難聴の改善がみられることがあり、身体動揺のみでなくこれらの蝸牛症状への影響も考慮する必要がある。一方、このことは、メニエール病などの治療法に応用する可能性も示唆するものと考えられる。 4.圧環境従事者の内耳障害や、ダイバーなどの聴器障害についても若干の症例を調査したが、未だ一定の結論を引き出すには至らず、今後の研究にまつこととなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Watanabe,I.;Ishida,H.;Okubo,J.;Nakamura,H.: Adv.Oto-Rhimo-Laryng.42. 72-76 (1988)
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[Publications] Okubo,J.;Watanabe,I.: ORL. 50. 273-305 (1988)
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[Publications] 奥野秀次,臼居洋行,大久保仁,渡辺〓: Equilibrium Res. 47. 359-364 (1988)