1986 Fiscal Year Annual Research Report
Bisphosphonateの歯石形成抑制作用とその歯周疾患予防医学への応用
Project/Area Number |
61870076
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
篠田 寿 医科歯科大, 難治疾患研究所, 助教授 (80014025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 烈 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014151)
野口 俊英 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (50014262)
小椋 秀亮 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (20013831)
大谷 啓一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (10126211)
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Keywords | Bisphosphonate / ピロリン酸 / Hexametaphosphate / 歯石形成抑制 |
Research Abstract |
昭和61年度に得られた研究成果の概要は以下の如くである。 (1)下顎臼歯部にプラスチックフォィルを装着させた50名の被検者について、1%HEBP(Hydraxye thane-1,1-Bisphosphonate)、1.2%HMP(Hexameta-phocohate)溶液を各々2週間合嗽させ:実験期間中にフォイル上に形成されたプラークのCaおよびP含量を測定した結果 両薬物はともに、プラークの中に沈着するCaとP量を有意に減少させた。この結果は、これらの薬物を歯石形成の抑制薬として臨床的にも使用し得る可能性を示すものと考えられる。 (2)HEBP、HMP、PPi(pyrophasphate)といった一連の化学的に類似した構造を持つ化合物の歯石形成抑制機序を確立する目的で、これらの薬物が、リン酸カルシウム結晶の沈澱や結晶成長にどのような影響を与えるかについてin vitroにおいて3種のテスト(Bottle test-リン酸カルシウム結晶の、hamageneous nucleationに与える影響;Inhibitor test-リン酸カルシウム結晶のheterogerous nucleationに与える影響;pHスタット法-リン酸カルシウム結晶の相変換に与える影響)を実施した結果、三種の薬物とも、用量依存性に結晶の沈殿、nucleationあるいは結晶の相変換の過程を阻害することが示された。またその効果は、HMP(n=59)において最も大きく、次いでHMP(n=14)、HEBP、PPiの順であった。 (3)HEEPの歯石抑制機序や代謝を研究するためには、その徴量定量法の確立が必要であるが、今年度の研究において、UV photolysis を応用して、充分実用可能と考えられる簡易徴量定量法をほぼ完成することができた。現在、検出限界、精度等について、さらに細かな検討を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 福田光男,野口俊英,石川烈,大谷啓一,三宅幹雄,紀藤信哉,瀬戸尚子,篠田寿: 日本歯周病学会会誌. 28. 744-751 (1986)
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[Publications] 瀬戸尚子,篠田寿: 日本骨代謝学会雑誌. 4. 66 (1986)
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[Publications] 大谷啓一,瀬戸尚子,三宅幹雄,篠田寿: 日本歯周病学会会誌.