1986 Fiscal Year Annual Research Report
言語生成・理解障害検査のための脳活動情報解析・判別支援システム
Project/Area Number |
61870097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 憲治 東大, 医学部, 助手 (80010106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末広 直樹 東京工科大学, 工学部, 助教授 (00114512)
斎藤 治 東京大学, 医学部, 医員
平松 謙一 東京大学, 医学部, 医員
丹羽 真一 東京大学, 医学部, 助手 (30110703)
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Keywords | 事象関連電位 / 文脈効果 / 神経回路 / 発話関連電位 / 言語理解 / 言語行動障害 / P300 / N400 |
Research Abstract |
1.生常者およびコミュニケーション障害を示す分裂病患者を対象に、言語理解の基本となる音節を用いた両耳聴呈示による認知実験を特定音節探知反応負荷の下で行い、認知成積、反応時間、および事象関連電位を記録し、事象関連電位のうちN100,P200,P300,N400およびNaの潜時・振幅を抽出して成積と反応時間とともにデータファイルを構成した。 2.刺激または発話音声と左右の前頭,側頭,頭頂,ならびに正中中心脳波を既存の脳波データ収集・処理装置に同時収集し、音声の編集・加工,持微点の抽出および特微点と各部位脳波との相互相関を求めるためのプログラムを作成し、事象関連電位のうち発話関連・理解関連の誘発電位・律動成分の抽出を可能にした。 3.文理解における文脈効果を見るための時系列刺激パタン生成プログラムを開発し、音声出力装置および視覚ディスプレイ装置に呈示するための補助プログラムとの結合を行い、予備探討のため2つの非言語音系列による文脈課題の反応負荷実験を遂行し、認知成積、反応時間、および事象関連電位を記録して文脈効果による反応パタン変化の客観的計測可能性を確認した。 4.既存の脳波データ収集・処理装置に本年度において購入した言語データ編集・呈示用ディスプレイ装置を接続し、上記解析プログラムと検査課題刺激材料を移植して、ディスプレイ上で前記の各種文音声編集・パラメタ抽出と視覚言語・非言語材料呈示の可能な脳活動情報解析・判別支援システムの基本システムを完成した。 本年度において完成したシステムを用いて音声・視覚認知実験と事象関連電位特微成分の解析を行うとともに、脳内言語・非言語情報処理の神経回路によるモデリングを進め、言語障害を脳内機構と活動情報との関係を基に考察することを今後予定している。
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[Publications] Kenji ITOH: Annual Bulletin RILP,University of Tokyo. 20. 83-102 (1986)
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[Publications] 伊藤憲治: 電子通信学会音声研究会技術研究報告. SP86-60. 67-74 (1986)
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[Publications] Kenji ITOH: Annual Bulletin RILP,University of Tokyo. 20. 69-82 (1986)
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[Publications] 丹羽真一: 電子通信学会音声研究会技術研究報告. SP86-5. 33-40 (1986)
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[Publications] 林田征起: 脳波と筋電図. 15. (1987)
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[Publications] 斎藤治: 神経研究の進歩. 30. 827-840 (1986)