1988 Fiscal Year Annual Research Report
光束分割法による細胞機能動態の顕微分光と画像解析の同時処理システムの試作
Project/Area Number |
61870098
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
神野 耕太郎 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40025630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小室 仁 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40195863)
酒井 哲郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40153845)
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Keywords | 顕微分光 / 画像解析 / 光束分割 / 膜電位感受性色素 |
Research Abstract |
大型顕微鏡の光束を二つに分割し、細胞動態について、顕微分光測定と画像解析の同時記録をおこなうための測定システムを作製し、蛙心房標本を用いて心筋細胞の電気的興奮とそれに共役した筋収縮を光学的に測定することに成功した。 心筋細胞の電気的興奮の測定には、メロシアニンローダニン系の膜電位感受性色素をプローブとして用い、興奮にともなう色素の吸光変化を顕微分光測定システムにより測定した。筋収縮は、収縮にともなう標本からの透過光変化を顕微分光と画像解析の二つの方法により解析した。標本に波長700nmの単色光を照射し顕微分光測定をおこなうと、活動電位に依存した第一相と筋収縮に依存した第二相の二つの成分から成る光学的シグナルが得られたが、両者の波長依存性のちがいを利用し、活動電位依存性成分の消失する波長620nmでの測定結果とあわせてコンピュータ処理することにより、活動電位と筋収縮それぞれに対応する光学的シグナルを分離し、コンピュータグラフィックス表示することに成功した。顕微分光測定と同時に画像解析による測定もおこない、画像のリアルタイム演算とデジタル的コントラスト強調により、細胞の微小な動きの可視化処理をおこない、筋収縮のパターンをビジュアルに表示することができるようにした。さらに、顕微分光と画像解析のデータを統合的に処理し、コンピュータグラフィックスの画面上に合成表示することもできるようになった。 この他にも、各種の光学的プローブとデータ処理を組合せることにより、本測定システムは、細胞生理学,細胞生物学の分野できわめて有効性の高いものであることが期待される。
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[Publications] Kamino,K.: Journal of General Physiology. 91. 573-591 (1988)
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[Publications] Kamino,K.: Journal of Physiology(London). 402. 301-314 (1988)
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[Publications] Kamino,K.: Journal of Physiology(London). 409. 263-283 (1989)
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[Publications] Kamino,K.: Journal of Physiology (London).
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[Publications] Kamino,K.: Advances in Biophysics. 25. (1989)
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[Publications] 神野耕太郎: 病態生理. (1989)