1986 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉用セラミックスに於ける核変換ヘリウムと放射損傷の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
61880002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩本 信也 阪大, 溶接工学研究所, 教授 (40028973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 哲朗 大阪大学, 工学部原子力工学科, 助手 (00029331)
香山 晃 東京大学, 工学部金属材料工学科, 助教授 (80092203)
小林 直人 電子技術総合研究所, 放射線物性研究室, 主任研究官
岩田 忠夫 日本原子力研究所, 物理部固体物理第2研究室, 主任研究員
安藤 健 九州大学, 工学部応用原子核工学科, 助教授 (20038003)
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Keywords | 核融合炉用セラミックス / アルミナイトライド / アルミナ / 核変換ヘリウム / 放射損傷 |
Research Abstract |
61年度は、核融合炉用セラミック候補材であるAlNおよび【Al_2】【O_3】の基本物性を整理することを中心に研究を進めた。AlNおよび【Al_2】【O_3】の作製には、本研究補助金により購入した焼結および合成用の特殊高温炉(1800℃)を用いた。AlNの場合、酸素量の異なる2種類のAlN粉末に【Y_2】【O_3】や希土類酸化物を添加後、窒素雰囲気中で常圧焼結を行うことによりAlNセラミックスを作製した。得られたAlNセラミックスの微構造観察と熱伝導率測定を実施した。その結果、【Y_2】【O_3】添加はAlN焼結体の緻密化を促進し、熱伝導率の向上に寄与することを見出し、熱伝導率におよぼす焼結体微構造の関係を明確にした。すなわち、添加された【Y_2】【O_3】は、AlN中の酸素と焼結中に反応してY-Al-O化合物を形成する。これらのY-Al-O化合物は焼結温度において液相を形成し、この液相がAlN焼結体の緻密化と、原料粉末中の不純物金属を取り込む作用を持つことが明らかとなった。希土類酸化物と【Y_2】【O_3】の混合物をAlN中に添加した場合、【Y_2】【O_3】添加に比べてさらに熱伝導率が向上する事実を見出した。これらの結果は、日本金属学会昭和61年度秋期大会ならびに昭和62年春期大会で発表した。 現在、製作したAlNおよび【Al_2】【O_3】セラミックスを各研究分担者に配布し、セラミックスの拡散係数測定、比熱特性、セラミックス中の水素・ヘリウムの存在状態解析、ヘリウムの再放出現象、機械的特性等の各研究テーマに従い研究を進めている。また【^(15)N】濃縮ガスを混入したAlN焼結体の作製も実施している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Iwamoto: Radiation Eftects. 97. 83-90 (1986)
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[Publications] K.Ando: Yogyo-Kyokai-Shi. 95. (1987)
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[Publications] K.Ando: Advances in Ceramics,The Am.Ceram.Soc.Jnc.,. (1987)