1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61880008
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Research Institution | Toyota College of Technology |
Principal Investigator |
高田 和之 豊田工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (10043176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 清子 豊田工業高等専門学校, 電気工学科, 助手 (50174868)
渡辺 與作 豊田工業高等専門学校, 一般学科・, 教授 (00043191)
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Keywords | 不整脈検出 / 自己回帰モデル / 心拍動リズムの分解と生成 / 心拍変動性 |
Research Abstract |
昭和61年度の研究途上、心拍時系列に自己回帰モデルを適用し、そのスペクトルを特性方程式に基づいて成分分解し、任意の周波数に関与する変動成分を抽出する方式について一部検討し、62年度において更に詳細に検討を加え、理論的にはシミュレーションの結果、この方式の有効性が検証できたので、これを論文として電子情報通信学会論文誌に投稿した。その結果、62年4月号に掲載された。63年度においては従来、本研究において開発試作した不整脈検出装置にこの方式をハード的に組込むことを行った。その新システムにより、健常人に対して安静時と運動負荷時について測定したところ、所求の良好な成果が得られた。すなわち、全体の系列からでは得られない情報が、成分分解することにより得られることが分った。そこで、心疾患をもつ患者に対しても、このシステムを適用し、システムとしてほぼ満足する結果を得ることができた。従って、システムとしては一応の完成をみたわけである。しかしこのシステムは、心電計を通してデータを集録しているので、それを心電より直接データを検出、集録し、本システムに入力することが望ましい。そこで63年度は上記の実験と共に心電の簡単な検出法について種々検討を加えた。また、内外の文献についても詳細に検討を加えた。これは、運動時にも必要となるので、例えば、耳たぶからの光電的検出などでは不充分で、また、腕の動脈、静脈、頸動脈などからの検出など、諸種の方式について検討し、試作も試みたが、現時点において心電の直接簡易検出法は得られていない。従って、一応完成をみた簡易型不整脈検出装置も、今後、心電検出部を加えることによって完全な携帯型に改良することが必要である。しかし、この検出部を得ることは、技術的に相当の困難が伴うものと予想される。
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