1988 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスの中からヒト疾患モデル動物を選扱するシステムの開発
Project/Area Number |
61880010
|
Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
野村 達次 実研動物中央研究所 (10072399)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野沢 資亜利 実中研, 発生工学研究室, 研究員 (40167573)
勝木 元也 実中研, 発生工学研究室, 室長 (20051732)
小林 喜美男 実中研, 飼育技術研究室, 研究員
斉藤 宗雄 実中研, 飼育技術研究室, 室長 (50167417)
横山 峯介 実中研, 生殖研究室, 室長 (40090930)
|
Keywords | トランスジェニックマウス / ヒト疾患モデル動物 / マウス飼育装置 / 胚の凍結保存 / 体外受精 / 卵巣移植 |
Research Abstract |
トランスジェニックマウスをヒト疾患モデル動物に応用することは、目的に合った、ヒトにより近い疾患モデルが得られるという点で、実験動物の可能性を広げる重要な研究といえる。本研究は、ヒト疾患モデルとしてのトランスジェニックマウスの、効率の良い生産方式の確立と、輸送法を含む飼育管理システムの開発を目的として実施された。 1.トランスジェニックマウスの飼育管理システムの開発:改良型の飼育装置として、扉付クリーンラックと大型MADシステムの2種類を設計・製作した。扉付クリーンラックは、ラック内が陽圧、ラックと外扉の間が陰圧になる二重扉の飼育装置で、主としてトランスジェニックマウスの作成と維持および基礎繁殖に用いた。大型MADシステムは、飼育室全体にラミナフロー方式で清浄な空気を供給する飼育施設で、トランスジェニックマウス子孫の大量生産と採卵用マウスなどの予備飼育に使用した。どちらも、安全性、作業能率、飼育容量、飼育動物への影響などに関して、ほぼ満足のいく改良がなされた。 2.ヒト疾患モデルマウスの作成と選抜システムの開発:トランスジェニックマウスの子孫を体外受精によって繁殖させた。これにより、出生日の揃ったマウスの大量生産が可能となった。またトランスジェニック系統の維持と保存のために胚の凍結保存を行った。さらに、症状が重いなどの理由で繁殖が因難な系統の継代方法として、卵巣移植や体外受精をとり入れた。これらの技術の導入により、研究の能率化、省力化が著しく進んだ。 3.トランスジェニックマウスの輸送システムの開発:新たに1〜数匹用の小型輸送箱を作製し、従来のものと性能を比較した。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] KATSUKI,M.: Science. 241. 593-595 (1988)
-
[Publications] KATSUKI,M.: Int.Immunol.(1989)
-
[Publications] KIMURA,M.: Proc.Natl.Acad.Sci.(1989)
-
[Publications] OTANI,H.: Anat.Anz.(1989)
-
[Publications] 勝木元也: 代謝. 25(5). 25-30 (1988)
-
[Publications] 横山峯介: 細胞工学. 8(4). (1989)
-
[Publications] 勝木元也: "発生工学実験マニュアル トランスジェニック・マウスの作り方" 講談社サイエンティフィク, 234 (1987)
-
[Publications] NOMURA,T.: "Future perspectives in the development of new animal models." Alan R.Liss,Inc., 72-77 (1987)