肝内・総胆管結石の非観血的治療法に関する研究;特にマイクロ波を用いる砕石法の開発

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 61890001
• Research Institution: Hirosaki University
• Principal Investigator: 井上 茂章 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (00168444)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 志田 正一 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 ; 遠藤 正章 弘前大学, 医学部, 助手 (30194046)
• Keywords: 非観血的胆石治療 / 肝内・総胆管結石 / マイクロ波砕石 / 胆道鏡 / 同軸ケーブル / アンテナ / 潅流液 / 直接胆石溶解剤

Research Abstract

1.臨床経験:肝内・総胆管結石の治療は13例を数え、硬性結石である胆嚢・総胆管結石4例、胆嚢結石の2例にも溶解剤併用下にマイクロ波砕石を試み、全例に砕石効果をみた。2.低損失型ケーブルの開発:ケーブル長は90cmに固定している。これに肝切除用太径ケーブルを用いていたが、専用延長ケーブルを試作した。接続硬性部を省いたため操作に余裕ができた。今後ケーブル長90cmを中心に1/2波長(6cm)の範囲で最適出力(最小反射電力)位置を決定する予定。3.アンテナ形状の検討:(1)双極アンテナ。設備購入の細径胆道鏡挿入可能な試作アンテナを臨床3症例に応用し効果をみた。硬い混合石に対しても刺入性が得られた。(2)出力の最も大きい1/4波長折り曲げアンテナは、細径化が難かしく、折り曲げ部分が胆道鏡に熱損傷をおこす。そのため出力をやや犠牲にし、折り曲げ長を1cmとした。これは太径の胆道鏡CHF-B_3Rを用いれば臨床応用可能である。(3)球状アンテナ。結石刺入性が無く、採用対象からはずされていたが、空中、生理食塩水(生食水)、5%グルコース(5%Gl)中での出力に大きな差が無く、放射効率が良い。単極、双極アンテナによるボーリング部へ挿入すると、以後の砕石が容易であり、臨床1例に成果をみた。(4)短脚アンテナ。結石表面の損傷度は良いが、刺入性、破壊性に乏しい。しかし直接溶解剤と併用すると、非接触的使用法ができ、操作が容易となった。(5)アンテナ電極焼損。単、双極、短脚アンテナ電極は、硬性結石中での長時間操作で焼損する。材質の検討が必要であり、当面は結石中へ到ったら球状アンテナを用いる方法がすすめられる。4.潅流液:アンテナの結石刺入が困難な際には一時5%Gl-を用いる。なおアンテナへの結石成分付着の影響を減じるため、時々解離電流を流すとよい。5.溶解剤:直接胆石溶解剤の併用は、砕石効率を高め、マイクロ波砕石法の適応を、硬いコレステロール結石にも拡げた。

Research Products

• [Publications] 井上茂章: 弘前医学. 40. 205-215 (1988)
• [Publications] 井上茂章: 弘前医学. 40. 439-450 (1988)
• [Publications] 井上茂章: 青県病誌. 33. 217-226 (1988)
• [Publications] 井上茂章: 青市病医誌. 2. 8-10 (1988)
• [Publications] 井上茂章: マイクロウェーブサージェリー. 6. 83-86 (1988)
• [Publications] 井上茂章: マイクロウェーブサージェリー. 6. 87-94 (1988)
• [Publications] 井上茂章: マイクロウェーブサージェリー. 6. 95-100 (1988)
• [Publications] 井上茂章: 日外会誌. 89. 2028 (1988)
• [Publications] 遠藤正章: 胆と膵. 8. 1059-1065 (1988)
• [Publications] 遠藤正章: 腹部画像診断. 9. 149-155 (1989)
• [Publications] 久野慶一: 青県病誌. 33. 291-299 (1988)
• [Publications] 井上茂章: 腹部救急診療の進歩. 9. 117-121 (1989)
• [Publications] 牧野勲: 暮しと健康. 43. 18-19 (1988)
• [Publications] 志田正一: Medical Tribune. 5月5日. 41 (1988)