1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
日本人, 在日韓国人及び韓国人の癌に関する比較研究
Project/Area Number |
62041811
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Research Category |
Grant-in-Aid for Overseas Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | Special Cancer Research |
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
重松 峻夫 福岡大学, 医学部, 教授 (60078756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 建旭 ソウル大学, 医科大学, 助教授
金 丁竜 ソウル大学, 肝臓研究所, 所長
金 勇一 ソウル大学, 医科大学, 教授
安 允玉 ソウル大学, 医科大学, 助教授
金 鎭福 ソウル大学, 医科大学, 教授
古野 純典 福岡大学, 医学部, 助教授 (70128015)
青山 弘 東京大学, 医学部, 助手 (50167805)
神代 正道 久留米大学, 医学部, 教授 (90080580)
桜井 幹己 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (90028316)
日山 與彦 大阪成人病センター, 研究所調査部, 主幹
大島 明 大阪がん予防検診センター, 検診第1部, 部長
島田 彰夫 秋田大学, 医学部, 助手 (70006724)
加美山 茂利 秋田大学, 医学部, 教授 (80004547)
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Project Period (FY) |
1987
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Research Abstract |
わが国にあっては1910年以来多くの韓国人が移住し, 1980年の国勢調査によれば60万人近い韓国・朝鮮人が常住している. これら在日韓国・朝鮮人の癌死亡に関するこれまでの研究により, この集団における癌発生の様相は日本人のそれと著しく異なっていることが判明している. 例えば日本人に比べ在日韓国・朝鮮人では肝癌の発生が2〜3倍も高く, 反対に胃癌の発生はかなり低い. 本調査の目的は日本人, 在日韓国人及び韓国人における癌, 特に胃癌及び肝癌について記述疫学的, 分析疫学的, 病理学的ならびに分子生物的に比較検討し癌発生要因の解明を行うことである. 1.韓国における癌の記述疫学的研究 韓国における癌, 特に胃癌及び肝癌の発生パターン解明のため, 病院ベースの癌登録のデータ解析と医療保険のデータ解析を実施している. 癌登録データはproportional analysisしか可能でないが, 医療保険データでは率による解析が可能である. 2.韓国済州島住民の食生活調査 大阪在住日本人 102家族, 大阪在住済州島出身者 110家族及び済州島韓国人 121家族について, 食品摂取量, 嗜好度の解析を概ね終了している. 3.韓国の胃癌の臨床・病理学的研究 ソウル医科大学の胃癌症例について臨床・病理学両面からの特徴を検討している. 4.韓国及び日本における肝癌症例研究 ソウル医科大学及び大阪成人病センターにおいて症例対照研究を実施している. 昭和63年12月末現在, 韓国においては115例の症例と115例の対照例について面接調査が終了しており, 大阪ではそれぞれ200の症例及び180例の対照例の調査が終了している. 5.韓国人, 在日韓国人及び日本人の肝癌の病理形態学的比較研究 韓国ソウル大学の肝癌切除例134例, 及び久米留大学の同128例の肉眼的比較を行い, 久留米大学症例では単結節型が50.7%あるのに対し, ソウル大学症例では9.7%と少なく, 逆に単結節周囲増殖型が44.7%(久留米大学症例28.9%)と多い等, 明らかな相違がみられた. 肝硬変合併率は久留米大学症例が83.3%であるのに対し, ソウル大学症例では54.8%と低いが, HBsAg陽性率が74.7%(久留米大学症例21.7%)と極めて高率である. 6.韓国人, 在日韓国人及び日本人の肝癌の分子生物学的比較研究・現在標本の収集方法及び実験手技について検討中である. 昭和59ー61年度の研究より継続している課題については概ね解析が終了しているが, 特に肝癌についての研究は今年度より開始したものであり, また充分な成果はあがっていないが, 今後発展させる予定である.
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Research Products
(1 results)