1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62300004
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石川 春律 群馬大学, 医学部, 教授 (90010058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広川 信隆 東京大学, 医学部, 教授 (20010085)
宝谷 紘一 京都大学, 理学部, 助教授 (80025444)
柴岡 弘郎 大阪大学, 理学部, 教授 (60087054)
秦野 節司 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022570)
佐藤 英美 名古屋大学, 理学部, 教授 (40109260)
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Keywords | 細胞骨格 / 細胞運動 / 細胞分裂 / アクチン / チューブリン / 中間径フィラメント / 細胞膜裏打ち / 細胞接着 |
Research Abstract |
本研究は細胞骨格が担う役割、とくに多様な細胞機能の制御機構を解明することを目的とし、22名の研究者からなる班組織で統合的に研究を進めている。5つの主要課題を設定し、研究者間の協力および共同研究の促進をはかり、着実に成果が挙っている。なお、本年度は班会議を、1月30日、31日の2日間にわたり開催し、研究成果発表および討論を行った。主な研究成果は次の通りである。 (1)細胞分裂:卵中に導入した金粒子の遠心力のもとでの動きから細胞質の力学的性質を明らかにし、卵成熟に伴う微小管分布およびチューブリンの質的変化を見出した。また、分裂細胞中に顕微注射したATPアナローグや抗チューブリン抗体が染色体移動を阻害することを示し、不等分裂をヘキシリングリコール処理で等分裂化することに成功した。イモリ卵より分裂溝を単離でき、その微細構造や収縮能を明らかにした。植物分裂細胞から隔膜形成体の単離にも成功した。 (2)ニューロン細胞骨格:ニューロフィラメントの分子構築を明らかにし、神経軸索の微小管が軸索流の分析から安定重合型と重合脱重合型の2型があることを見出した。 (3)細胞運動:粘菌変形体におけるアクトミオシン系の動的挙動を半定量的に分析でき、大陽虫軸足の瞬間的収縮を担う構造の局在を明らかにした。また、テトラヒメナ・アクチンが極めて特異な分子であることを示し、ショウジョウバエ初期発生におりる細胞骨格の関与を明示した。 (4)細胞骨格分子機能:MAPsによって微小管の伸長相が安定化されることを示し、また、酵母の薬物感受性がβ-チューブリン上のアミノ配列列の差によることを見出した。 (5)細胞膜裏打ち:細胞膜裏打ちの微細構造と機能の相関を分析し、また細胞接着装置の単離に成功し、新しい関連蛋白質ラジキシンを発見。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 石川春律: Arch.Histol.Cytol.51. 127-145 (1988)
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[Publications] 佐藤英美: Cell struct.Funct.14. 1-34 (1989)
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[Publications] 秦野節司: Cell Motil.Cytoskel.10. 410-419 (1988)
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[Publications] 柴岡弘郎: Protoplasma Suppl.2. 95-103 (1988)
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[Publications] 宝谷紘一: Cell Motil.Cytoskel.10. 229-236 (1988)
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[Publications] 広川信隆: J.Molec.Biol.202. 297-305 (1988)