1988 Fiscal Year Annual Research Report
電子スピン共鳴(ESR)線量測定と年代測定法の開発
Project/Area Number |
62300016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池谷 元伺 大阪大学, 理学部物理学科, 教授 (20023161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 哲夫 新潟大学, 理学部, 教授 (50027439)
勝村 庸介 東京大学, 工学部, 助教授 (70111466)
木庭 元晴 関西大学, 文学部, 助教授 (40141949)
小林 正 北陸大学, 薬学部, 教授 (30100936)
三木 俊克 山口大学, 工業短期大学部, 助教授 (70091212)
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Keywords | 電子スピン共鳴 / ESR / 年代測定 / 線量測定 / 応用計測 |
Research Abstract |
数回に渡る研究発表会合により (1)ESR年代測定、(2)ESR放射線量計測、(3)ESRイメージングに関する討議を進め、研究分野を分担することにより各分野の発展をはかった。以下に分野毎についての成果の主なものについて記す。 1.ESR年代測定 本総合研究の中心的課題の「ESR年代測定」では、活断層の年代測定および信号強度ゼロになる機構の解明が進んだ。東大による圧縮試験機の試作や筑波大院生による断層活動の熱発生とESR信号のゼロセットが、ここ数年の成果である。また、浜名湖ボーリングコアーや砂漠の堆積物の年代測定が行われた他、琉球サンゴでは、年代値の判った標準信号が用意された他、伊豆大島の火山噴出物の酸化過程が追求された。 2.ESR放射線量計測 アラニンをはじめとする放射線量計測が、特に画像で行われるようになった。特記すべきことは、小型安価なESR線量計用の永久磁石が、NdBFeを用いて試作された他、直接人体歯牙を測る研究が行われた。特に、被曝者や事故放射線とX線の分離方法が開発された。 3.ESR画像計測 ESR画像計測と年代または線量計測を結びつけることにより、画像計測が大きく進んだ。特に、ESR顕微鏡として、ミクロな画像を得る幾つかの独創的方法が発明され、人体歯牙のミクロドジメトリーや化石中の常磁性イオンや照射効果信号の磁気共鳴画像が得られた。分担者により「ESR画像化の意味」の研究講演会も開催し、医学関係者も参加した。特に西独で開かれた「第2回ESR線量計測と応用」国際シンポジウムを成功させた。本研究は特に報告書を出版することになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Ikeya,: Magnetic Resonance Review. 13. 91-134 (1988)
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[Publications] T.Miki,;A.Kai,;M.Ikeya,: Nucl.Tracks Radiat.Meas.14. 253-258 (1988)
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[Publications] M.Ikeya,;A.Kai,: Quaternary Science Reviews. 7. 471-475 (1988)
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[Publications] A.Kai,;T.Miki,;M.Ikeya,: Quaternary Science Reviews. 7. 503-507 (1988)
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[Publications] M.Ikeya,;A.Kai,: Chemistry Express. 3. 699-702 (1988)
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[Publications] H.Furusawa,;M.Ikeya,: Analytical Sciences. 4. 649-651 (1988)