沖縄における社会組織の特質と地域社会の変動に関する実証的研究

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62301025
• Research Institution: University of the Ryukyus
• Principal Investigator: 鵜飼 照喜 琉球大学, 教養部, 教授 (80045161)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 戸谷 修 三重大学, 人文学部, 教授 (80070895) ; 蓮見 音彦 東京大学, 文学部, 教授 (50014684) ; 比嘉 政夫 琉球大学, 法文学部, 教授 (10045198)
• Keywords: 地域社会 / 社会変動 / 社会組織 / 地域開発 / 沖縄の本土帰帰 / 地方財政 / 村落構造 / 農民層分解

Research Abstract

1.今年度の資料収集、調査による成果ーー昨年度の研究成果に基づき本年度は各分担者のテーマに沿って資料収集、聴きとり調査を実施し、次のような成果を挙げることができた。
(1)地方財政に関する分野 沖縄県および県内一市町村の復帰後の財政動向が把握できる資料を入手することができた。
(2)農村社会の構造に関する分野 沖縄県の復帰当時調査した南部農村を中心に資料収集し、復帰後の農村社会の変動の基本的要因を明らかにすることができた。
(3)沖縄農業の動向に関する分野 復帰後の沖縄農業は日本の農業が大きく衰退するなかにあって、花卉園芸農家を中心に相対的にではあるが、安定、上昇した点が特筆される。そこでその農家集団による専門農協が形成された点に注目し、同農協での資料収集および関係者からの聴きとり調査を実施した。
(4)住民運動に関する分野 いわゆる、新石垣空港問題について、単に自然破壊という問題だけでなく、地域社会の破壊と混乱、そこに住む人々の人権の問題でもあるという、同問題の構造が明らかにされた。
2.研究会により討議の成果
(1)本研究の位置づけ 沖縄の復帰前後に行われた9学会の研究の継続であるとともに沖縄社会の変動を日本全体の変動と関連させるという点を確認した。
(2)本研究の取りまとめについて 次年度での最終報告書とは別途に、出版の計画を立て実行する。