1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62301073
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
池本 清 神戸大学, 経済学部, 教授 (50030664)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池間 誠 一橋大学, 経済学部, 教授 (40002993)
大山 道広 慶応大学, 経済学部, 教授 (10051517)
中島 潤 神戸市立外語大学, 教授 (10073355)
鈴木 典比古 国際基督教大学, 準教授 (70187748)
小島 清 国際基督教大学, 教授 (40017504)
|
Keywords | 多国籍企業 / 国際分業 / 直接投資 / 内部化理論 / 経営資源 / 特殊的要素 / 技術移転 / 撤退 |
Research Abstract |
多国籍企業の活動はますます活発化し、近年の円高と貿易摩擦に対処するため、日本の多国籍企業の対外直接投資が急増している。 多国籍企業の海外直接投資に関する研究は、これまで圧倒的に企業そのものを対象とするミクロ分析に集中してきた。近年のその代表例は内部化理論である。しかし内部化理論は、販売面や他企業との競争状態についての考慮に欠ける。またミクロ分析だけでは、多国籍企業の本国、子会社の受入国、さらには全世界に対して、所得・経済成長性・雇用・国際収支・為替相場・安定性などいろいろの面において重要性の高いマクロ分析が視野の外におかれてしまう。一国経済の立場から、各国は自国の経済運営に腐心しているのであり、国家主権対企業の論理という問題に応えるためには、マクロ分析をこそ重視しなければならない。マクロ分析も、海外直接投資にともなう諸影響を実証的に解明するポジティブ・アプローチと、それをふまえて望ましい海外直接投資のあり方を考察するノーマティブ・アプローチに分かれる。このうちで特に重要なのは、貿易摩擦の解決・発展途上国の経済発展の助長にも対処しつつ、どのような海外直接投資を行えば国際経済全体が効率化し、かつ混乱が発生しないで調和的に発展できるかを対象とするノーマティブ・アプローチである。この面での世界唯一の主張は小島理論である。それによれば、投資国の比較劣位産業から経営資源が受入国の顕在的・潜在的比較優位産業へ移転されるなら、調和的で利益の大きい貿易が創造されるという。 本研究では、小島理論のより精致な理論化をめざして、寡占的競争条件、技術移転、製品差別化、工程間の水平分業、途上国の吸収能力、撤退問題からの反省などの諸側面から考察を行っている。精致化の内容は、各分担者の発表論文を参照されたい。
|
Research Products
(12 results)
-
[Publications] 池本清: 国民経済雑誌. 158巻2号. 19-32 (1988)
-
[Publications] 池本清: 世界経済評論. 32巻12号. 46-50 (1988)
-
[Publications] 小島清: 世界経済評論. 32巻11号. 22-39 (1988)
-
[Publications] 小島清: 国際基督教大学社会科学ジャーナル. 27. 11-31 (1988)
-
[Publications] 鈴木典比古: 国際世論. 9. 38-48 (1988)
-
[Publications] 鈴木典比古: 国際経済学会 編「国際経済」. 39. 152-160 (1988)
-
[Publications] 鈴木典比古: 世界経営協議会会報. 49. 26ー30 (1988)
-
[Publications] 鈴木典比古: 国際経済研究. 89. 20ー25 (1988)
-
[Publications] 鈴木典比古: Management Decision. Vol.26No.5. 13ー16 (1988)
-
[Publications] 中島潤: 世界経済評論. 33巻1号. 48ー54 (1989)
-
[Publications] 大山道広: 三田学会雑誌. 81巻2号. 43ー59 (1988)
-
[Publications] 鈴木典比古: "多国籍企業経営論" 同文館書店, 1-276 (1988)