Research Abstract |
本年度は初年度であるので, まず全員が会合し, 本研究の目的, 既作成分についての検討, 水理学, 河川工学, 海岸工学, 水文学, 流体力学の各分担分野の取上げるべき課題と構成について検討した. その結果, コンピューター・グラフィックスによる教育の利点として, 正確な表示, 縦横比を変えて誇張した表示, 色彩による線・面区別を利用すること, プログラムの工夫によりアニメ化を量ること, 学習者がパラメーターを自由にインプットし, 現象の特性を理解し易くすることなどに留意することとした. 流体力学としては, 実質加速度の意味, 水槽よりの自由噴流によるトリチェリーの定理およびベルヌーイの定理, 渦と渦度, 翼形回りの完全流体の流れ, 流線・流跡線・流脈線の違い, 円柱または球のまわりの完全流体解, ストークス解, オセーン解の違い, 平板上の境界層のブラジウス解の求め方, 境界層の発達, 円管内流の抵抗則(層流, 遷移流, 乱流)についてのプログラムを作成した. 水理学では, 開水路の水面形を計算し図化するプログラムを作成した. 具体的には河道の河床勾配や水路幅, 流量, 基準点の水位をインプットして初期値問題として水面形を算出することにより, 常流と射流の相違や, それと河道条件との関係が理解できる内容とした. 海岸工学としては, 水の波の力学の基礎を理解させるための題材を選ぶという方針のもとに, 具体的には, 水の波のもとでの水粒子の運動軌跡やそれに伴う質量の輸送の発生を理解させるためのプログラム, 波群の伝播をアニメ化することにより波の位相速度と群速度の違いを理解させるプログラム, 及び海岸地形をインプットして波の屈析を計算し, 波の変形を理解させるためのプログラムを作成した.
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