1988 Fiscal Year Annual Research Report
全国に多発している牛の異常産に関する発生調査及び病理学的並びに原因学的研究
Project/Area Number |
62304027
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
板倉 智敏 北海道大学, 獣医学部, 教授 (30021695)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 直彰 東京大学, 農学部, 教授 (70011989)
浜名 克巳 鹿児島大学, 農学部, 教授 (30011977)
立山 晋 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90041003)
梅村 孝司 鳥取大学, 農学部, 教授 (00151936)
大島 寛一 岩手大学, 農学部, 教授 (20003733)
|
Keywords | 子牛 / 異常産 / アカバネ病 / Chuzanウィルス / 牛のウィルス性下痢症-粘膜病(BVD-MD) / 遺伝病 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、下記の各地域に発生した異常産子牛を主に疫学ならびに病理学的に検索した。 1.南九州地域の発生について 鹿児島県において1988年1月から7月までの間に発生した異常子牛100例(黒毛和種84例、ホルスタイン種16例)を検索した。このうち水頭無脳症は49例で、その初発は3月6日生れ、最後の発生は6月生れで、これはアカバネ病流行的発生に一致するものであった。この発生で注目されたことは8例がアカバネ病ワクチン接種にもかかわらず発生したことである。また水頭無脳症に合併して小脳形成不全が12例に認められたが、後者のChuzanウィルスとの係りは明らかにし得なかった。 宮崎県では1988年に異常産牛17例を検索した。これらの疾病あるいは病変の内訳は、先天性出血素因5例、アカバネ病4例、小脳形成不全2例、心奇形2例、側脳室拡張1例、その他の先天異常3例であった。小脳形成不全はChuzanウィルスが関与していると思われた。 2.中国地域の発生について 黒毛和種牛の遺伝性疾患を検索した。その結果、脳脊髄の海綿状変性を1例に、甲状腺機能不全によるとみなされる発育不全を13例に認めた。 3.東北地域の発生について 岩手県に発生したアカバネ病について、中脳ならびに小脳の病変に注目して検索した。水頭無脳症83例中61例(73.5%)に中脳低形成が、また小脳の大きさを測定した48例中18例(37.5%)が明らかな萎小化を示した。これらの形態的変化は過去のアカバネ病報告と質的に一致した。 4.北海道地域の発生について BVD-MDによる先天異常子牛の大脳ならびに小脳病変をアカバネ病のそれと形態的に比較した。両者の病変は本質的に異なっていた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 山崎洋: 日獣会誌. 41. 514-516 (1988)
-
[Publications] Umemura,Takashi: Vet.Pathol.25. 312-314 (1988)
-
[Publications] Hamada,Katsumi: 15th World Congress on Diseases of Cattle,Spain,Oct.11-14,1988(Proceedings). 2. 886-889 (1988)
-
[Publications] 浜名克巳: 日獣会誌. 42. 29-38 (1989)
-
[Publications] 板倉智敏: "獣医学1989" 近代出版, 10 (1989)