1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62304035
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
志方 俊夫 日本大学, 医学部, 教授 (50009932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市田 文弘 新潟大学, 医学部, 教授 (90018292)
内田 俊和 日本大学, 医学部, 助教授 (80060078)
安部 賢治 国立予防衛生研究所, 研究員 (60130415)
森次 保雄 国立予防衛生研究所, 室長 (40100101)
小野 魁 日本大学, 医学部, 教授 (30004675)
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Keywords | 輸血後の非A非B型肝炎 / 流行性の非A非B型肝炎 / 感染実験 |
Research Abstract |
本研究班は昨年度流行の非A非B型肝炎の起因ウイルスを感染した猿の糞便から分離することに成功したが、今年度は輸血後の非A非B型肝炎の起因ウイルスを血清中から分離し電子顕微鏡像をとることに成功した。流行性の非A非B型肝炎にに関しては、かにくいざるを使用して感染実験を行ってきた。感染材料は、ラングーンでの散発性の非A非B型肝炎症例の糞便のプールを使用した。更に感染したさるの糞便を用いて継代感染実験を行った。これらの糞便の感染材料を経静脈的に接種したかにくいざるはほぼ100%感染が成立した。継代感染実験も感染に成功し、3代までの継代感染実験を行った。感染したかにくいざるの糞便のみならず胆汁中に直径27nmから30nmの球形のウイルス粒子を電顕下で証明した。これは実験期間中開腹して経時的に胆嚢から胆汁を採取し、電顕下でウイルスを見たものである。ウイルスの排出は主にトランスアミナーゼの上昇する前1週間認められた。始めの頃はfullpartioleが多いが後にはempty virusが多くなった。また始めはウイルスが胆汁中に散在していたが後には凝集して認められた。ウイルスの間隔から分泌型1gAによる凝集と考えられる。現在大量のウイルスを集めてモノおよポリクロナール抗体の作製、ウイルス核酸のクローニングと塩基配列の決定の研究を進めている。輸血後非A非B型肝炎に関しては感染したチンパンジーの血清を濃縮し庶糖密度超遠心法にかけ各フランクションを電顕で検索したが、1.16のフランクションにトガウイルスを発見した。ウイルスの直径は36nmから64nmである。エンヴェロープを持ち、スパイクが認められる。同じウイルス粒子は非A非B型肝炎患者の血清からも見つかった。現在感染したチンパンジーの血清、肝臓、ヒトのキャリヤーと思われる血清からウイルス核酸のクローニングを試みている。
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[Publications] 阿部賢治: 肝臓. 29. 705-706 (1988)
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[Publications] 阿部賢治: 肝臓. 29. 1661 (1988)
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[Publications] 志方俊夫: 代謝. 25. 29-33 (1988)
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[Publications] 志方俊夫: 診断と治療. 76. 1851-1856 (1988)
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[Publications] 志方俊夫: 日本臨牀. 46. 2567-2574 (1988)
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[Publications] 志方俊夫: 臨床と微生物. 15. 496-500 (1988)