1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62304068
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Research Institution | University of Tukuba |
Principal Investigator |
紀伊國 献三 筑波大学, 社会医学系, 教授 (10114068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 昌三 順天堂大学, 医学部(学長), 教授 (80052926)
本多 西男 浜松医科大学(副学長, 附属病院長), 教授 (00010231)
開原 成允 東京大学, 医学部(医療情報部部長), 教授 (30010234)
武田 裕 大阪大学, 医学部(医療情報部), 助教授 (20127252)
佐々木 順子 筑波大学, 社会医学系, 講師 (60134243)
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Keywords | 大学病院医療 / 大学病院医療費 / 構造要因 / 基本構造と特殊構造 |
Research Abstract |
今年度は昨年度に収集した、3疾患(肺癌・白血病・心筋梗塞)の大学病院入院患者1672例につき、医療費データを中心に、転帰別(通常の退院・死亡・診断途中退院)手術料の有無、在院日数と1日当り医療費による分布領域・診療区分別医療費ごとに分析を行なった。 その結果大学病院医療の構造を平均的にとらえることは不十分であり、転帰別の分析では特に死亡患者に高額の医療費が使われており、死亡患者の割合の高い大学病院医療費の特徴が明らかであり、疾患毎には、それぞれ医療費構造に独自のものがあり、一律に検査を実施しているのではなかった。手術の有無が医療費を特徴づける大きな要因であり、更には、特定の診療目的のための大学病院への入院が存在することが認められた。 更にそりぞれの疾患について、基本構造的医療と特殊構造的医療の存在が確認され、また大学病院のおかれている環境(歴史的、地域医療的)によっての多様性が分布領域の分析によって確認された。 本研究は、症例数、データ内容等についての制限はあったが、大学病院の行なった医療内容を構造的に説明する、数少ない試みであり、将来の大学病院医療の内容の向上のための方法論を示すことが出来た。
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