1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62420025
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 輝 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (40016762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩附 信行 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (70193753)
林 巖 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (80016790)
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Keywords | 歯車機構 / 減速機 / 両歯面かみあい / ノーバックラッシ / 効率 / 振動 / 過渡応答 |
Research Abstract |
1.実験計画の一部変更と実験装置の拡張:動力損失の予備実験の結果、本装置の動力損失が歯車対の損失から予測できることが明らかになり、損失に関する調査の一部(ねじれ角の影響)を省略、代わりにより重要な動的挙動の調査を行うことにした。これに伴い、軸系を直立させて、出力軸に大きな慣性負荷を取り付け、その回転変位を検出するロータリエンコーダと電子回路を追加した。試験歯車の仕様はほぼ同じである。 2.効率(動力損失)の調査:本装置の損失は一定値成分と伝達トルクに比例する成分の線形和で表されることが明らかにされた。引き続きモジュール、圧力角との関係を解明するために各試験歯車につきこれらの成分の値を求める実験を進めている。 3.動的挙動の調査:実用上必要な、高速運転時の定常振動の問題と、起動、停止時の過渡振動の問題について実験的検討を行った。 (1)定常振動:常用最高回転数2,000rpmまでの振動特性を測定し、可動軸受の効果を調べた。その結果、中間軸の入・出力歯車部分の偏入誤差成分による動係数2〜2.7の強制振動が1,500rpm付近に幅広く現れることがわかったが、この影響は出力軸変位には縮小されて現れるため、強度設計時にこれを考慮すれば特に大きな問題とならないと考えられる。 (2)過渡振動:最適量の1/10の慣性負荷を与えて、ランプ入力で起動、停止させて停止位置を測定する実験を行った結果、過渡振動はほとんど確認されず、本装置の有効性が確かめられた。しかし、停止位置にヒステリシスの影響と見られる±0.5°程度の変動が確認された。これは実用上重大な問題であり、引き続きその原因の究明を進める予定である。 以上の研究により、提案したノーバックラッシ歯車装置につき、静的には動力損失の性質が、動的には共振、過渡振動に鈍感な性質が解明されたが、ヒステリシスの解明とその解決が必要なことがわかった。
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[Publications] 林輝,林巖,浅原哲郎,岩附信行: 昭和63年度精密工学会春季大会学術講演論文集. 1037-1038 (1988)
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[Publications] 林輝,佐原理孔,林巖,岩附信行: 昭和63年度精密工学会秋季大会学術講演論文集. 811-812 (1988)
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[Publications] 林輝,佐原理孔,林巖,岩附信行: 平成元年度精密工学会春季大会学術講演論文集. (1989)