1988 Fiscal Year Annual Research Report
高精度音声認識と言語ー概念情報の理解に基づく音声言語翻訳方式の基礎的研究
Project/Area Number |
62420052
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堂下 修司 京都大学, 工学部, 教授 (00025925)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 茂良 静岡大学, 工学部, 助教授 (00109018)
島田 陽一 京都大学, 工学部, 助手 (70196492)
西田 豊明 京都大学, 工学部, 助教授 (70135531)
|
Keywords | 高精度日本語連続音声認識 / 判別分析 / マルコフモデル / 音素間の遷移規則 / 統合的自然言語理解 / ノイズのある入力の処理 / 自然言語処理 / 概念情報処理 |
Research Abstract |
昭和63年度は翻訳システムを統合するために各モジュールがもつべき機能について詳細な検討を行い、これに基づく各モジュールの設計・実現を行った。 1.音声解析・認識部:言語ー概念処理部におけるあいまい性解決に有益な音韻的手掛かりの抽出法についての理論的検討に基づき、判別分析とマルコフモデルの統合による子音認識、及び、連続母音・半母音間の遷移規則を利用した母音認識の手法を考案し、不特定話者に対する日本語音声認識実験において、子音92.1%、連続母音93.0%の認識率を得た。 2.言語解析・生成部:音声認識部の解析を導くための予測情報を生成する統語的・意味的手掛かりを効率よく導くための手法として、統合パーサの利用が有効であることを実験によって確認した。また、空間シーンに関する知識に基づいた自然言語による経路説明文の生成を行うシステムを作成した。 3.概念情報処理部:自然言語によって記述された情景描写文に対して、空間に関する概念が言語表現にどのように現れるかを分析した。このとき、空間概念を明示的に表現する語を特に空間語として認識し、分析の際に利用した。次に、この分析に基づいて、言語表現に明瞭には現れない概念上の違いを識別できる記述を与え、言語表現と空間に関する概念との対応関係を明らかにした。また、言語表現から空間に関する概念を抽出する方法を提案し、実現した。 4.統合的情報処理機構:統合的処理のために無矛盾性維持と焦点管理アルゴリズムの実行トレースを統計的に分析し、効率向上のためのヒューリスティックとして、最大の確からしさをもつ候補の選択、矛盾の検出と矛盾する仮定に依存する結論の除去、確からしさの更新方法についての検討を行った。
|
-
[Publications] 堂下修司: 人工知能学会誌. 3ー6. 684-690 (1988)
-
[Publications] 河原達也,堂下修司,北澤茂良: 日本音響学会講演論文集. (1989)
-
[Publications] Yamada,A.;Nishida,T.;Doshita,S.: Proc.12th International Conference on Computational Linguistics(COLING '88). 764-769 (1988)
-
[Publications] 山田篤,西田豊明,堂下修司: 情報処理学会論文誌. 29ー9. 824-834 (1988)
-
[Publications] Nishida,T.;Yamada,A.;Doshita,S.: Computer World '88 Program and Abstracts. 184-191 (1988)
-
[Publications] Nishida,T.;Liu,X.;Yamada,A.;Doshita,S.: Proc.12th International Conference on Computational Linguistics(COLING '88). 482-487 (1988)
-
[Publications] 西田豊明,堂下修司: "定性推論(電子回路の定性解析)" 共立出版, (1989)