1987 Fiscal Year Annual Research Report
紫外共鳴ラマン分光による調節蛋白ー遺伝子相互作用とその動的過程
Project/Area Number |
62430004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 一誠 東北大学, 薬学部, 教授 (70011583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣谷 恵理 東北大学, 薬学部, 教務職員 (10192303)
古川 行夫 東北大学, 薬学部, 助手 (50156965)
内多 潔 東北大学, 薬学部, 助手 (70129352)
竹内 英夫 東北大学, 薬学部, 助教授 (30111454)
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Keywords | 紫外共鳴ラマン分光 / 調節蛋白 / DNA |
Research Abstract |
1.本研究の目的にかなった紫外可視ラマン分光用光源として,YAGパルスレーザーシステム(真空冶金LH8701ーDCR3G)を選定し,既存のラマン分光用ダブルモノクロメーターと組み合せ,紫外分光用集光系,フィルター等を取付けて,可視・紫外(266nmまで)両用マルチチャンネルラマン分光光度計を作製した. 今後,測定可能領域をさらに短波長へひろげる計画である. 2.サイクリックAMPという小分子を取り込むことによって構造が変化してDNAの一部(オペレーター)と結合し,これによってRNA合成酵素の働きを調節する蛋白,CRPがある. CRPを量産する大腸菌を培養し,単離・精製した. 様々な目的の実験に使用するために,今後さらに多量を精製する. 3.オペレーター部位のDNA22マーを液相法により合成した. その円偏光二色性スペクトルを測定し,二本鎖B型構造をとっていることを確認した. これに,cAMPを取り込んだCRPを添加すると,22マーの構造が一部C型に変化することを見出した. これらのラマン分光による本格的な研究は,予定通り,来年度以降に行う. 4.蛋白によるDNAの認識は,特定の配列をしたアミノ酸側鎖と塩基との相互作用によると考えられる. 基本的なオリゴペプチドとしてLys-Trp-LysとLys-Tyr-Lysを合成し,ポリアデニル酸やポリ(αAーαT)との相互作用を調べた結果,これらのペプチドは,特徴的な水素結合やスタッキングによりヌクレオチドと相互作用していることが明らかとなった. 5.DNAオリゴマー,TATAATとTTGACAの特定プリン塩基のC8位を重水素化したものを合成し,266nm励起ラマンスペクトルを測定して,基礎的検討を行った.
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Research Products
(1 results)