1988 Fiscal Year Annual Research Report
紫外共鳴ラマン分光による調節蛋白一遺伝子相互作用とその動的過程
Project/Area Number |
62430004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 一誠 東北大学, 薬学部, 教授 (70011583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣谷 恵理 東北大学, 薬学部, 教務職員 (10192303)
橋本 慎二 東北大学, 薬学部, 助手 (50192696)
内多 潔 東北大学, 薬学部, 助手 (70129352)
竹内 英夫 東北大学, 薬学部, 助教授 (30111454)
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Keywords | 紫外共鳴ラマン分光 / 調節蛋白 / 蛋白一核酸相互作用 |
Research Abstract |
1.マルチチャンネル検出器の高感度化、光学系の改良等により、213、240nmを励起光としたラマンスペクトルが測定できるようになった。今後、さらに多くの励起光を使用できるよう計画している。 2.調節タンパク質の一つ、cAMP受容タンパク質(CRP)は、プラスミドを保有する大腸菌より単離・精製した。その希薄溶液の紫外共鳴ラマンスペクトルを240nm励起で測定すると、芳香族アミノ酸側鎖のうちトリプトファン、チロシンのバンドが主に観測された。その結果、2個のトリプトファン側鎖は親水環境にあること、6個のチロシン側鎖のうちいくつかは異常な状態(アニオン化状態など)となっていることを見出した。 3.CRP-cAMP複合体の共鳴ラマンスペクトルの測定より、複合体形成にともなすCRP、cAMPの構造変化について調べた。240nm励起のスペクトルより、CRP主鎖は、複合体形成によりβシート構造が減少することがわかった。X線結晶解析により、cAMPはβシート構造より成るポケットに結合することが知られているので、cAMPが結合するとCRPのポケット構造が一部崩れると考えられる。チロシン側鎖はcAMP複合体となっても変化はない。また、266nmを励起光するとcAMPが強く共鳴効果を受けるため、複合体中でもcAMPのラマンバンドのみを選択的に観測することができた。これにより、cAMPは複合体中でCRPと強く相互作用していることが明らかになった。 4.CRPのオペレーター部位にあたるDNA22マーの希薄溶液について紫外共鳴ラマンスペクトルを測定した。その結果、266nm励起ではアデニンについて、240nm励起ではグアニンについてのラマンバンドがかなり選択的に観測できることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hideo,Takeuchi: Spectrochim.Acta. 44A. 749-761 (1988)
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[Publications] Hideo,Takeuchi: J.Raman Spectrosc.(1989)