1988 Fiscal Year Annual Research Report
重積層制御による機能性セラミックス人工格子の合成と物性
Project/Area Number |
62430016
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三浦 嘉也 岡山大学, 工学部, 教授 (80032952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 喜一 岡山大学, 工学部, 助手 (50033410)
尾坂 明義 岡山大学, 工学部, 助教授 (20033409)
坂東 尚周 京都大学, 化学研究所, 教授 (70027027)
高田 潤 岡山大学, 工学部, 助教授 (60093259)
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Keywords | セラミックス人工格子 / 電子ビーム蒸着装置 / 高温超電導酸化物 / Y-Ba-Cu-O / Bi-Pb-Sr-Ca-Cu-O / 状能図 |
Research Abstract |
(1)前年度においては、Y-Ba-Cu-O系薄膜作製の際の基礎知見となる状態図、化学的性質を調べるとともにY-Ba-Cu-O薄膜の合成等について研究を進めてきたが、本年度は超伝導臨界温度107Kを持つBi-Pb-Sr-Ca-Cu-O系薄膜作製の基礎データとなる状態図を三成分系について検討した。 大気中873KにおけるBi_2O_3-PbO-CaO系、Bi_2O_3-PbO-SrO系における状態図ならびに大気中1073Kにおける液相領域を決定した。新しい化合物としてBi_2O_3・PbO・RO(R=Ca,Sr)3元系固溶体α,β,Bi_8Pb_7Ca_2O_X,Bi_8Pb_9Sr_3O_Xを見い出した。従来報告されている化合物に代わってBi_3Ca_2O_X,Bi_<11>Pb_40_Xの新しい組成を決定した。 酸化亜鉛(ZnO)は、バリスター、表面弾性波素子、ガスセンサー等に広く用いられている代表的な電子材料の一つであるが、ZnO薄膜の合成は、従来、その殆どがマグネトロンスパッターで行われている。そこで、本年度の研究として、マグネトロンスパッター法にはない種々特徴を持つ活性化反応蒸着装置を用いて酸素雰囲気中(10^<-4>Torr)で各種基板へのZnO薄膜合成条件の検討を行った。 その結果、石英ガラス基板を用いた場合、基板温度200〜600℃の温度範囲ですべてのC軸優先配向が認められた。基板温度の上昇とともに酸素欠陥の減少がおこり、そのため薄膜の電気抵抗の増加が認められた。XRD(00l)回折線の半価幅も基板温度の上昇とともに小さくなることから、ZnO薄膜の結晶性は良くなっていると言える。サファイアR面、c面を基板に用いた場合、基板温度600〜500℃で、それぞれR面、c面へZuOがエピタキシャル成長していることがRHEEDの測定より判明した。また、SEM観察と結晶性の評価を行い、ZnO薄膜の合成条件と膜質の関係を明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Terashima: Jpn.J.Appl.Phys.27. L91-L93 (1988)
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[Publications] 北口仁: 日本セラミックス論文誌. 96. 397-400 (1988)
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[Publications] 高田潤: 粉体および粉末治金. 35. 952-958 (1988)
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[Publications] 小田喜一: 粉体および粉末冶金. 35. 959-964 (1988)
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[Publications] 高田潤: 粉体および粉末治金. 35. 1003-1009 (1988)