1988 Fiscal Year Annual Research Report
異常原子価と界面の制御によるペロブスカイト型酸化物の高機能化の追求
Project/Area Number |
62430017
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北澤 宏一 東京大学, 工学部, 教授 (90011189)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御園生 誠 東京大学, 工学部, 教授 (20011059)
|
Keywords | 超伝導 / 酸素欠陥 / 原子価制御 / ペロブスカイト / 触媒燃焼 / XPS / STM / 薄膜触媒 |
Research Abstract |
1.酸化物超伝導体の原子価制御と超伝導機構の解析 超伝導酸化物の酸素空孔、酸化数と超伝導性の関係および超伝導機構について検討した。(La_1ー_xSr_x)_2CuO_4ーδはxの増加とともにCuの平均価数が増大し価数2.16で最高のTc38Kが得られた。さらに、Cuに対し遷移金属をわずかに置換しても超伝導性を失うが、Laに対する常磁性希土類元素の置換ではTcの変化が小さいことから、超伝導がCuO面で起きていることを証明した。YBa_2Cu_3O_y系でも、Cuに対するFe、Coの置換で正方晶への転移が起こりTcは低下するものの超伝導を示すことからCuーOの二次元面の重要性を指摘した。 2.セラミックス系高活性燃焼触媒の合成 ペロブスカイトLnBO_3(Ln:希土、B:3d遷移金属)の酸化触媒活性は主としてBイオンで決り、LnのSr置換によるBイオンの原子価制御を生かして著しく高活性の触媒が得られる事を明らかにした。このようにA、Bサイト置換を行なったペロブスカイトおよび関連する複合酸化物についてXPSを用いて表面もバルクと対応した原子価制御の起こっていることを示した。さらに、ZrO_2を担体とすると高活性ペロブスカイトを薄膜担持することができ、高表面積化による一層の活性向上が実現できた。表面状態については、XPS、EDX、IRにより明らかにした。YBa_2Cu_3O_yについてはNO、COがインターカレートしCOによるNOの遷元反応に高い活性を示すことを見出した。 3.走査型トンネル顕微鏡(STM)の作成と表面測定 防震・走査機構を工夫し多様な雰囲気で測定可能な小型STMを作成した。Bi_2Sr_2CaCuO_y単結晶(Tc=81 K)についてCuーO面に対し垂直ならびに水平方向についてエネルギーギャップを測定し、超伝導機構に関して考察を加えた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] S.Kambe;K.Kishio;N.Ooba;N.Sugii;K.Kitazawa;K.Fueki: JJAP Series 1 Superconducting Materials. 11-14 (1988)
-
[Publications] T.Hasegawa;H.Suzuki;S.Yaegashi;H.Takagi;et al.,: Japanese Journal of Applied Physics. 28. (1989)
-
[Publications] K.Fueki;K.Kitazawa;K.Kishio;T.Hasegawa: Proc.Int.Conf.Wien Feb.1988. 90-101 (1988)
-
[Publications] N.Mizuno;M.Yamato;M.Misono: J.Chem SOC.,Chem.Commun.887-888 (1988)
-
[Publications] T.Nitadori;T.Ichiki;M.Misono: Bull.Chem.Soc.Jpn.61. 621-626 (1988)
-
[Publications] T.Nitadori;M.Muramatsu;M.Misono: Bull.Chem.Soc.Jpn.61. 3831-3837 (1988)
-
[Publications] 苗木和雄,北沢宏一 他: "酸化物超伝導体の化学" 講談社サイエンティフィク, 1-256 (1988)