1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62440005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森田 弘道 九州大学, 理学部, 教授 (50037149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花井 一光 九州大学, 理学部, 助手 (40108642)
嶋田 一郎 東北大学, 教養部, 教授 (50108429)
白石 昭雄 九州大学, 理学部, 助手 (00037243)
木島 博正 九州大学, 理学部, 助教授 (30012397)
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Keywords | 味覚 / 化学受容 / トランスダクション / イオンチャンネル / レセプター / モノクローナル抗体 / 化学感覚 / 昆虫 |
Research Abstract |
本研究はハエとヒドラの味覚受容細胞における情報変換の分子機構をパッチクランプ法、受容器電流のゆらぎの解析法、モノクローナル抗体法、遺伝解析などの手法を用いて解明することを目的としている。本年度は計画の2年目に当たり、昨年行ったハエの受容器電流ゆらぎの解析結果明らかになった糖作動性イオンチャンネルの作動特性の解明とヒドラのモノクローナル抗体を利用したレセプター単離を中心とした研究を行い次の成果を得た。(1)羽化2〜3日前のセンチニクバエの蛹から取り出した唇弁をキチナーゼとパパインで処理して得られた細胞群をポリリジンでコートしたガラス面に展開することにより、味細胞を支持細胞から単離して培養することに成功した。これにパッチクランプ法を適用して、数種のK^+チャンネル電流を記録できた。また全細胞クランプ法の適用にも成功した。(2)ヒドラのR5応答に対する抗原タンパク質(MW、約22万)を単離・精製し、このタンパク質がグルタチオンと相互作用を持ちかつ阻害剤Lーグルタミン酸に対する親和性が応答の解析から得られた値とよく一致することを見出した。(3)センチニクバエ糖受容細胞の受容器電流を解析して、ピラノース部位に対応するチャンネルとフラノース部位の対応するチャンネルは単一チャンネルコンダンタンスが約2.5倍異なる別種のイオンチャンネルであることを利らかにした。(4)センチニクバエの塩受容器は糖誘導体1.6ーアンヒドロガラクトースによって刺激されることが明らかになった。(5)腔腸動物から発見された2種の神経ペプチドAnthoRFamide及びPolyachtisRFamide Iがヒドラの摂食行動の全てのステップを開発することを見出した。このことからヒドラの抗RFアミド抗体染まる神経ネットワークは摂食行動を制御している可能性が示唆された。(6)ショウジョウバエのグルコース応答の低下している変異体の糖受容器の応答を解析し異常を見出した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Hanai: Amer.J.Physiol.256. 217-223 (1989)
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[Publications] K.Ohta: Zool.Sci.5. 1192- (1988)
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[Publications] H.Kijima: J.Gen.Physiol.91. 29-47 (1988)
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[Publications] H.Kijima: J.Physiol.(1988)
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[Publications] N.Tanabe: Neurosci.Letter. (1988)
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[Publications] Y.Ikemoto: Br.J.Pharmacol.
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[Publications] 葛西道生: "神経情報伝達分子 情報生物シリーズ 2" 倍風館, 175 (1988)