1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62440025
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村上 悳 山口大学, 医学部, 教授 (90040518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 達生 山口大学, 医学部, 助手 (60182929)
坂田 義行 山口大学, 医学部, 助手 (10034927)
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Keywords | Interleukinー1 / プロスタグランジン / 発熱 / 腫瘍壊死因子 / インターフェロン / OVLT / ACTH / CRF |
Research Abstract |
発熱は体内で新生されたInterleukinー1(ILー1)がアラキドン酸カスケードの産物であるプロスタグランジン(PG)を最終メディエーターとして、体温調節神経機構に作用することによって発現するものと理解されるようになった。そして体温上昇のみならず、非特異的生体防征反応や免疫反応を同時に発現させ、これらは総合して生体防御的に働いていることが明らかにされてきている。そこでかかる発熱反応や急性相反応はILー1以外のサイトカインではどうなるのか、さらに内分泌系に対する影響は如何なる様式によるかを多角的に解析を行った。 1、サイトカインには構造の判明しているものだけでも11種類を教えるが、このうちヒト・リコンビナントのILーlα、ILーlβ、腫瘍壊死因子(TNF)、インタフェロン(IFN)β、IFNγのもたらす発熱反応や急性相反応の比較検討を行った。これらサイトカインは一様な様式によって発熱するのではなく、その種類如何によって固有の発熱を呈することが明らかとなった。これらの成績に基づいて、発熱発現に与っている機構をこれまで提唱されているorganum vasculosam lamina terminalis (OVLT)における(1)血管外の細胞からのPG防出によるものと、(2)血液側ならびに脳室側から近接できるインターフェースから防出されるPGの働きの二重の機構によるものと結論した。 2、内分泌系への働きのうち、下垂体・副腎系の賦活が行われ、これには発熱発現のメディエーターであるPGが同様にメディエーターとして働くことをこれまで報告してきたが、さらに、このPGは脳内のcorticotropine-releasing factor(CRF)を増量させこれを介していること、そして、このことはCRF、ACTH、コルチゾール、αーMSHと内因性解熱物貭の増量を招来し、発熱の上昇を自ら制限する結果になることが判明した。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Morimoto,A.: J.Physiol.397. 259-268 (1988)
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[Publications] Morimoto,A.: J.Physiol.397. 281-289 (1988)
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[Publications] Morimoto,A.: J.Physiol.397. 269-280 (1988)
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[Publications] Morimoto,A.: J.Physiol.398. 97-108 (1988)
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[Publications] Morimoto,A.: Am.J.Physiol.254. R633-R640 (1988)
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[Publications] Murakami,N.: Neuroscience Res.Suppl.7. s68 (1988)
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[Publications] Morimoto,A.: J.Physiol.405. 713-725 (1988)
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[Publications] Morimoto,A.: Brain Res.475. 345-348 (1988)
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[Publications] 村上悳: Clinical Neuroscience. 6(8). 64-65 (1988)
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[Publications] 村上悳: 炎症. 8(4). 305-309 (1988)
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[Publications] Murakami,N.: Int.J.Biometeol.32. 222 (1988)
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[Publications] 村上悳: "発熱と生体防御" 日本医事新報社, 1-215 (1988)