1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62440025
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村上 悳 山口大学, 医学部, 教授 (90040518)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 達生 山口大学, 医学部, 助手 (60182929)
坂田 義行 山口大学, 医学部, 助手 (10034927)
森本 昭生 山口大学, 医学部, 助教授 (70127794)
|
Keywords | OVLT / 発熱反応 / インタ-ロイキン1 / 家兎 / ラット / 長期運動鍛練 / CRF / ACTH |
Research Abstract |
1.発熱は血中の発熱物質が、脳に作用して発現するものと解されている。そうしてその作用部位として、脳室周囲器官特にorganum vasculosam lamina terminalis(OVLT)が想定されている。本年度は家兎とラットの発熱反応の相違がその作用部位の構造的違いによるものではないかと仮定し、OVLTの構造を組織学的に検討した。1)家兎のOVLTには、二層の毛細血管層が存在しているが、ラットでは一層の毛細血管しかなかった。2)家兎のOVLTには、毛細血管周囲にperivascular spaceが著明に発達しているが、ラットには少なかった。他方、発熱反応は、1)家兎及びラットの静脈内にIL-1を投与すると、量ー反応関係のある発熱が出現するが、その大きさは家兎で大きいこと、2)家兎の大量投与時に2相性発熱が出現するが、ラットでは1相性発熱のみであること、3)家兎及びラットの第3脳室内にIL-1を投与した時、量ー反応関係のある発熱が出現するが、両動物で差がないことから、静脈内投与時の発熱反応はOVLTの構造的相違に由来しているものと結論される。 2.神経・免疫・内分泌軸活動のhomeostasisにおける重要性が指摘されてきているが、特に神経・免疫連関の内分泌系への影響を検討する目的で、長期運動鍛練がIL-1投与によるACTH反応に如何なる影響をおこすかを観察した。IL-1静脈内投与によるACTH反応は、長期運動鍛練により少なくなる。しかし、発熱反応及び急性相反応発現には変化がなかった。このことは、長期運動鍛練そのものは生体防衛反応発現に直接影響を及ぼさないが、内分泌系活動に影響を及ぼすことを示しており、視床下部におけるCRF産生を抑制することを介していることが明らかとなった。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Morimoto,A.: "Possible involvement of prostaglandin E in development of ACTH response in rats induced by human recombinant interleukin-1." J.Physiol.411. 245-256 (1989)
-
[Publications] Sakata,Y.: "Responses of thalamic neurons in rats to skin cooling and hypothalamic temperature." Am.J.Physiol.256. R1293-R1298 (1989)
-
[Publications] Sakata,Y.: "Effect of intravascular infusion of endogenous pyrogen or prostaglandin E_2 on neuronal activity of rat's hypothalamus." Bull.Yamaguchi Medical Journal. 36. 1-8 (1989)
-
[Publications] Morimoto,A.: "Brain regions involved in the development of acute phase responses accompanying fever in rabbits." J.Physiol.416. 645-657 (1989)
-
[Publications] Sakata,Y.: "Effect of preoptic/anterior hypothalamic temperature on activity of thalamic neurons in rats responding to skin temperature." Thermal physiology,ed.by Mercer J.B.,Excerpta Midica,Amsterdam. 73-76 (1989)
-
[Publications] 村上悳: "発熱時にみられる下垂体ー副腎系活動の賦活化機構" 炎症. 9. 289-294 (1989)
-
[Publications] 村上悳: "発熱症候群(分担)" 文光堂, 38 (1989)