1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62440031
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Research Institution | Institute of Medical Science, University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹田 美文 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30029772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉園 久生 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90186487)
湯通堂 隆 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80182674)
平山 寿哉 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50050696)
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Keywords | 志賀毒素様毒素 / Vero毒素 / 腸管出血性大腸菌 / RNA Nーグリコシダーゼ / VT1 / VT2 / VT2 variant / VT2vh |
Research Abstract |
腸管出血性大腸菌が産生する志賀毒素様毒素(Vero毒素)について、その構造と機能を明らかにする目的で研究を行い、以下の成績を得た。 1.すでに分離したVT1、VT2以外に新しいVero毒素を産生する腸管出血性大腸菌をカナダのDr.Karmaliから分与を受け、この毒素を精製し、その物理化学的性状を明らかにした。 2.新しいVero毒素は、VT2と免疫学的に共通抗原性があるが、VT1とは免疫学的に全く反応性が無いので、新しい毒素をVT2variantと名づけた。 3.VT2variantの遺伝子をクローニングし、その塩基配列を調べた結果、豚の浮腫症から分離した腸管出血性大腸菌が産生するVT2variantとは異なることがわかったので、われわれの精製したVT2variantがヒト患者由来菌が産生することから、VT2vhと呼ぶことを提案した。 4.VT2vhの作用機作を調べた結果、VT1、VT2と同じくRNA Nーグリコンダーゼ活性を有し、その結果、真核細胞の60sリボソーム亜粒子中の28S RNAの4324番目のアデニンを遊離さすことを明らかにした。 5.VT1、VT2、VT2vhおよび作用機作が全く同じのRicinの一次構造を比較し、4種類の毒素に共通の構造部分を同定し、その部分がRNA N-glycosidase活性の活性中心構造であると推定した。site directed mutagenesisの手法によって、この部分のアミノ酸の異なる変異毒素産生菌を作成し、活性に関与するアミノ酸を決定した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kurazono,T.;Sasakawa,C.;Yoshikawa,M.;Takeda,Y.: FEMS Microb.Lett.44. 23-26 (1987)
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[Publications] Ogasawara,T.;Ito,K.;Igarashi,K.;Yutsudo,T.;Nakabayashi,N.;Takeda,Y.: Microbial Pathogenesis. 4. 127-135 (1988)
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[Publications] Ito,H.;Yutsudo,T.;Hirayama,T.;Takeda,Y.: Microbial Pathogenesis. 5. 189-195 (1988)
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[Publications] Takao,T.;Tanabe,T.;Hory,Y.M.;Shimonishi,Y.;Kurazono,H.;Yutsudo,T.;Sasakawa,C.;Yoshikawa,M.;Takeda,Y.: Microbial Pathogenesis. 5. 357-369 (1988)
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[Publications] Eudo,Y.;Tsurugi,K.;Yutsudo,T.;Takeda,Y.;Ogasawara,T.;Igarashi,K.: Eur.J.Biochemistry. 171. 45-50 (1988)
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[Publications] Oku,Y.;Yutsudo,T.;Hirayama,T.;O'perien,A.D.;Takeda,Y.: Microbial Pathogenesis. (1989)