1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62440049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高久 史磨 東京大学, 医学部, 教授 (40048955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 冬木 東京大学, 医学部, 助手 (30184493)
北村 聖 東京大学, 医学部, 助手 (10186265)
岡部 哲郎 東京大学, 医学部, 助手 (80169135)
春日 雅人 東京大学, 医学部, 助手 (50161047)
大沢 仲昭 東京大学, 医学部, 助教授 (90010090)
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Keywords | 造血幹細胞 / 造血因子 / エリスロポエチン / コロニー刺激因子 |
Research Abstract |
本年度は、エリスロポエチン(EPO)、GーCSF、GMーCSFを中心に基礎的及び臨床的研究を行なった。 1.Epoを貧血を有する慢性腎不全患者に投与し、全例で貧血の改善を認めた。さらにこれらの患者の骨髄細胞に対するEpoの効果をin vitroで測定し、EpoがCFU-Eやさらに未熟な幹細胞に作用すると思われる所見を得た。 2.GーCSFの臨床投与を行ない、いくつかの血液疾患で有効であることを認めた。GーCSFをMDSや再生不良性貧血などの白血球の減少している症例に投与すると、白血球、特に好中球の増加が見られ、臨床症状の改善を認めた。白血病症例では、GーCSFを化学療法剤と併用して投与し、特に難治性再発性の白血病症例において臨床的に有効であると思われた。また、GーCSFを重症感染症やAIDSの症例に投与し、臨床的に著明な効果があることを見出した。GーCSFは抗生物質の投与のみでは治癒が困難な症例において併用すると、極めて有効であると思われた。 3.GーCSF、GMーCSFのin vitroにおける白血病細胞増殖促進作用を検討した。これらの造血因子は、急性非リンパ性白血病症例の一部でその増殖を促進することが明らかとなった。 4.GーCSF、GMーCSF、ILー3などの造血因子受容体の解析を行なった。これらの造血因子は、各々が特異的な受容体を有することが明らかとなり、その構造や分子量などが判明した。またGーCSFやGMーCSFでは血球細胞以外にも受容体が見出され、その作用がこれまで考えられていた以上に広汎にわたることが明らかとなった。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Akio Urabe 他: International Journal of cell cloning. 6. 179-191 (1988)
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[Publications] H. Uzumaki 他: Biochemical and Biophysical Research Communication. 156. 1026-1032 (1988)
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[Publications] Arinobu Tojo 他: Cancer Research. 48. 1818-1822 (1988)
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[Publications] C-J Tsao 他: Journal of Immunology. 140. 89-93 (1988)
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[Publications] 朴雲峰 他: 日本血液学会雑誌. 51. 1115-1121 (1988)
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[Publications] Yukio Kobayashi 他: American Journal of Medicine. 86. (1989)
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[Publications] Michiya Shimamura 他: Experimental Hematology. 16. 681-685 (1988)
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[Publications] Toshio Kitamura 他: Acta Haematologica Japonica. 51. 677-685 (1988)
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[Publications] Masayuki Hino 他: British Journal of Haematology. 70. 143-147 (1988)