1988 Fiscal Year Annual Research Report
顎口腔系の機能異常の発現機序に関する臨床的並びに実験的研究
Project/Area Number |
62440075
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental Univ. |
Principal Investigator |
藍 稔 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00013889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田部 優 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10182354)
篠ケ谷 龍哉 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (40178877)
飯田 倫照 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50176046)
中村 和夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90172395)
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Keywords | 咬合異常 / 圧痛部位 / 歯牙接触 / 咬合高径の変更 / 筋活動 / 実験的早期接触 |
Research Abstract |
本研究は咬合異常と顎関節や頭頸部筋との関係を追究するものであり、臨床的研究と実験的研究とから成っている。本年度はさきに行ってきた臨床的研究のデータ整理を主に行い、筋、顎関節の圧痛部位の頻度と各々の相互関係、咬合異常の分類と圧痛部位との関係などについて幾つかの知見を得た。また、実験的研究では当初本研究に組み込んでいなかった咬合高径と顎機能との関係についての検討を行い、興味ある知見を得た。つまり、咬合高径を正常な状態から増加、減少させたときに上下歯列の咬合接触の発現頻度、接触時間がいかに変化するかをテレメータ装置を使って調べた結果1)正常な咬合高径で自由行動時や睡眠時では8例の被験者全てに歯の接触があったが、集中作業や嚥下時には接触が起きない例があった。2)咬合を挙上すると長く接触する頻度が増加し、低下させると長い接触は少なくなる傾向がみられた。また実験的研究のその2として咬頭嵌合位における実験的早期接触が筋機能に如何に影響するかについての検討を行い、ある程度の知見をまとめることができた。つまり、厚さ100μmの実験的な早期接触を下顎第1小臼歯から第2大臼歯まで逐次付与して最大咬みしめを行わせたときの閉口筋の活動を咬筋、側頭筋後部についてEMGで記録し、またガム咀嚼時の下顎運動を記録した結果、早期接触付与後、対側の側頭筋後部の筋活動の低下が著明で、とくに接触の位置が前方にあった場合、活動は小さくなる傾向があった。
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