1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62450051
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀井 敏夫 大阪大学, 教養部, 教授 (90025049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 直人 大阪大学, 文学部, 助手 (20181951)
江川 温 大阪大学, 教養部, 助教授 (80127191)
藤本 和貴夫 大阪大学, 言語文化部, 教授 (70029734)
川北 稔 大阪大学, 文学部, 教授 (70107118)
合阪 學 大阪大学, 文学部, 教授 (50027976)
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Keywords | 租税 / アンシアン・レジーム / フランス革命 / バン領主権 / 封建的生産様式 / ハカーマニシュ朝 / ペリセポリス / 財産問題 |
Research Abstract |
本年度は, ヨーロッパ史における国家構造の変動と財政問題が与える影響およびその役割との関係を解明するために, 以下の研究会を開催し, そこでの報告・討論を中心に, 問題点の提示・整理・検討を行なった. (1) 「租税国家の諸問題ーおよび財政問題から見たフランス革命ー」(報告者・堀井敏夫)では, 最初の報告として, 古代オリエントから中世・近世に至る, 研究全体に関する基本的な問題提起がなされるとともに, その具体的な研究課題の最初として, フランス革命期における財政問題についての発表がなされた. アンシアン・レジーム期と革命期の財政の連続と財政改革の遅れの原因についての考察から近代国家における財政の位置づけが試みられた. (2) 「税と『生産様式』論」(報告者・江川温)では, M・バクーシュ, S・アミン, C・ウィッカムなどの研究を足がかりとして, 税と生産様式の相関関係, とりわけ封建的生産様式との係わりについての報告がなされた. そこでは, 西欧封建社会のバン領主権の問題, 地代と租税の関係, 封建制下における保護の代償と税の関係, などについての議論が深められ, 「税制」という側面での, 西欧封建社会の世界史的な位置づけが模索された. (3) 「ハカーマニシュ朝における国家財政について」(報告者・川瀬豊子)では, ペルセポリス出土の城砦文書などの原史料にもとづいた, ダーラヤワウ1世治世下のペルセポリス王室経剤についての, 具体的かつ詳細な研究が発表された. そこから, より広い古代オリエント史における財政の問題を考える上での, ひとつの視座を得ることができた.
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Research Products
(1 results)